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堕天使ちゃんは逃げ惑う  作者: 霞灯里
第2章 カリオン王国

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第24話 駆け出しの冒険者

カウンター奥の応接室に通されると、ギルド職員たちは昇天しているミィちゃんを更に奥の部屋へと連れて行った。


「ちょっとぉ!? ミィちゃんをどこに連れていくのぉ!?やぁだ、返してぇ!」とごねる私は無視され、待たされる。


仕方なくそのまま応接室で待っていると、男の職員が入って来た。フードを深く被りなおして「男とは話さんミィちゃんを出せ」とごねまくると、「そういうお店ではありません」と返された。


さらにごねり続けたら、代わりに年配の乙女が来てくれた。乙女相手に無茶はできず、渋々席についた。


新規でライセンスを作りたいと言うと、記入用紙を差し出された。



「こちらにご記入を。……字は書けますか?」



……あ、私、異世界文字書けなくなぁい?

と思ったら普通に読めるし、書けた。なにこれ便利スキル?


記入するのは、名前・年齢・性別・種族・出身地・職業など。


ここで種族に堕天使とか書いたら、完全に中二病ぽくなぁい?いや、でも事実だしぃ、でも恥ずかしいしぃ?と思って聞いてみる。



「書きたくない項目は空欄で構いませんよ。最低限、お名前だけはお願いします」



と優しく言われたので、転生日本人としては個人情報は積極的に守っていくスタイルでいくことにした。剣と盾は常に持っているので~。


名前──“エリュシェル・フォールン”。職業──“剣士”。


剣なんて人生で一回しか振ったことないけど?しかもその一回で星裂いちゃったけど?


あとは性別だけ書いて、それ以外は全部「ヒ・ミ・ツ♡」と大きく書いておいた。ふふっ、完璧。


記入を終えると、「しばらくお待ちください」と年配の乙女は奥へ戻り、しばらく待っていると戻ってきて──「新規登録料は、銀貨五枚です」とライセンスカードを差し出してきた。早い、仕事ができる!


エロ助の財布から代金を支払い、カードを受け取る。茶色い銅製のブロンズカードに私の名前が刻まれていて、装飾のように赤い魔石が埋め込まれていた。


おぉーっ、これで私も駆け出しの冒険者なのねっ!


この魔石に個人情報やこれまでの実績、経歴が記録されていき、それらの情報の写しがギルドにも保管されていくらしい。なるほど、こういった仕組みで身分証明書になるのね~。……思ってたよりハイテクじゃん。


「最初はブロンズランクからスタートになります」と、そこからランクの説明が始まった。


下から、ブロンズ ⇒アイアン ⇒シルバー ⇒ ゴールド ⇒ミスリル ⇒ アダマンタイト ⇒オリハルコンの七段階。


一般冒険者はアイアンやシルバーあたりらしい。ゴールドは超ベテラン。上のランクにいくほど様々な支援制度があるみたい。アダマンタイトは極少数の英雄。そして、オリハルコンは一人しかいないみたい。「その人のために作られた称号です」とのこと。


「依頼をこなし実績を積むとランクが上がり、アイアン以上のランクアップは試験、達成依頼数など様々な条件があります」


ええ~……、地道にコツコツやるのは嫌いですぅ。めんどいでぇす。


「それから、”パーティ”と”クラン”についてですが──」と最後に話をしてくれた。


パーティーは冒険者複数人でギルドに申請することで作れる。一般的な感じだねぇ。依頼にはパーティではないと受けられないものが結構あるみたい。優先的に依頼や情報が伝えられたり、様々な恩恵があるらしい。


百合パーティ……、ふむ。


さらに冒険者やパーティの寄り合い組織であるクランは、ゴールドランク以上の冒険者が設立可能。ギルドからの情報共有・優先依頼・福利厚生など色々な特典が多くあるらしい。花形クランに在籍することはステイタスだとかなんとか。


百合クラン……、ふむ。



そして……クランにはギルドから“専属の受付嬢”が付くとのこと。



……あっ?

……せんぞくぅ??



専属……受付嬢ぅ……?

ミィちゃんを……??


ミィちゃんが私の専属マネージャー……?

毎日会えるぅ……?

無限に可愛がれるぅ……?


私がミィちゃんを好きにしても、いいのぉ……?



ミィちゃんと「ウフフフッ、アハハハッ」っと戯れる、百合百合しい楽園が脳内に広がる。



ニッチャア……。

なるほど、百合クラン……、いいかもしれないわねぇっ!

この物語を読んで頂き有難うございます。

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