第23話 亜麻色の乙女
顔も見えない謎の女に突然見下ろされた可憐な亜麻色の乙女は、大きな瞳をぐるぐる回し肉感ボディをぷるぷる震わせながらも、繰り返し一生懸命に声をかけてくる。
「きょ、きょほは〜、にゃにのぉ〜、ご、ごにょう〜?……れしゅきゃ〜??」
あぁっ!この娘はっ!!本当にっ!!!
どうしてこう、私の心をこんなにも揺れ動かすのぉ!?急所をピンポイントで刺してくるのぉ!?てんぱって舌が完全に迷子になってるじゃないっ!可愛すぎるんだけどおぉっ!!
いたたまれなくなった私は、フードを指先でつまみ軽くひねるようにしてふわっと下ろした。
ファッサアァァ────
まるで光そのものを解き放つように、長い白金色の髪が大きく広がり美しく流れ落ちる。無数の粒子が舞うようにキラキラと揺れ、私の素顔がしっとりとあらわになった。
そして唖然とする彼女を見つめ、にっこり微笑みを浮かべると片目を閉じて、“パチンッ♡”とウィンクでハートを飛ばした。
亜麻色の乙女はピシィッと固まり、一拍置いてから 「ボンッ!」 と全身真っ赤に茹で上がった。頭の周りでピヨピヨと光るヒヨコが回転してるように、ふわふわしてる。
「ウフフッ」
すかさず追撃する!
腕を伸ばし人指し指の腹で、彼女の鎖骨の下あたりを──ごく、かる〜く、優しく弄るように触れる。
「ひっ、ひうぅっ!?」
ぴくんっとするも、そのまま指の腹を、ツツツー……と、白く細い首すじまでもってゆく。ゆっくり、ひどくゆっくり、持ち上げていって──
彼女の肌の温もりを感じながらそのまま指を顎の下まで滑らせると、最後にくいっと、可愛らしい顔を少しだけ持ち上げた。大きな薄い翡翠色の瞳がウルウルと潤んでる。
ンン゙ッ!カワイイッ!!
「あっ、あうあうあうっ……!」
「とっても可愛らしいあなた、……お名前はぁ?」
「るっ、ルリミィア……でしゅぅ……」
ルリちゃん!?ミィちゃん!?
名前まで可愛いとかどういうこと!?
「お、おい、アンタ何してんだ?」
それを見かねた後ろの冒険者達が止めようと半歩動いたその時、私はチラッと振り返り一瞥をくれてやった。
──ドドッ!
その一帯の空気が瞬時に揺れ、冒険者たちは 「ボボボンッ!」 と一斉に赤面して固まった。あらぁ、かわいい反応ねぇ。
静かになったギルドで、私の快進撃は続く。
「ご、ご、ごにょう、にゃんでしゅかぁ〜……?」
「ふふふっ、……今日は、ねぇ〜?」
すたんっ、とカウンターから軽やかに降りる。
てんぱりまくってるミィちゃんの顎から頬を指先でそっと撫でつつ、彼女の周りを コツ、コツ、コツ とゆっくり円を描くように歩く。
「ひいいぃっ」
「今日はねぇ~、作りに来たのよぉ〜」
「ふっ、ふええぇっ!?」
「フフフフッ」
そっと背後まで回り込むと、震える彼女の首元に腕を絡ませ、ぷるぷると震える彼女を落ち着かせるよう、温かく包み込んで優しく抱きしめる。
そして、顔を耳元に近づけ息をすこし届けながら、囁いた。
「あなたとの──愛の、ラ・イ・セ・ン・スぅっ♡」
「はっ、はひいいぃーっ!!?」
ミィちゃんは一段高い声を上げながら「びくんっ」と跳ね、そのまま静かに、すぅ……っと崩れ落ちるように昇天した。
「あらぁ?」
そのあとギルドの職員らが飛んできて、昇天したミィちゃんと共に、連行されるかのようにカウンター奥の応接室へ連れてかれた。
てへっ☆
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