第20話 私はねぇお高いの
――――ふう。
ようやく心の安寧を取り戻した、エリュシェルです。
三日三晩の女神ごっこでした。なんせこのわたくし、女神にそっくりですから。
邪神をも惑わすこのカ・ラ・ダ。たまりませんよねぇ?フフッ。
スケスケ水晶浴場で湯あみをし我が身を清らかにしながら、これからの事を考えております。よく考えたらあのまま都市に突っ込んでたら、まずかったなぁと。今更ながら思うのです。
頭上には輝く光輪、背中には純白の大きな翼、そして全身淡く光り、女神の如きこの美貌。あのまま突っ込んでいれば、まさに人間世界に舞い降りた奇跡。
”女神降臨”そのものでは?大事件になっていたのではないでしょうか?
湯船から立ち上がって、光輪と翼を引っ込めて、全身の淡い光を遮断した。とりあえず姿はこれで大丈夫だろう。何という都合の良い仕様。
浴場から出て体を魔法で拭きながら、次に眺めるのはぷかぷか浮かべてある三種の神器。まさしく神器という神々しい光を湛え、圧倒的な威厳を放っている。
聖剣――星涙ルクスティア。
儀式剣のような装飾がされた美しい細身の剣、星の刃。刀身は細く長く、揺らめく星雲のような光を放っている。柄は繊細な金細工、中心に淡い蒼星石が脈動している。振るたび星屑のような光の尾を描く。星が祈りで形を成したような、澄みきった奇跡の剣。
聖盾――暁輪アウロラリス。
厚みはなくまるで光の膜を鋳造したような紋章型の神盾。盾より一回り大きな金のオーロラが揺らぎ、強固な結界が表面に張られている。盾の縁に環状の光が廻り、星環のように輝く。複数の金色の光輪が展開できて、それらが“第二の盾”として防御を増幅する。絶対的な天光の盾。
聖鎧――光衣クラルエル。
金属鎧と薄衣が融合した“光の衣”。白と金で彩られる天界の金属部分は、髪飾り、胸当て、腰帯、手足の飾りとヒールが少しあるパンプスの最小限。鎧っぽいのは胸当だけで、殆どがとても美しい装飾品のようだ。残りは聖なる純白の薄衣で、全身を覆う水のように柔らかな結界が淡い光を流れるように放ち、私の意思に応じて星屑のようにきらめく。まさに光を纏うように美しい。
そして、クラルエルさんは、とんでもなくエッロい。
腕、背中、おなかは薄衣すらなく、真っ白な素肌を大きく魅せている。胸当てもその大きな果実を薄く優しくそっと支えるように最小限であとは薄衣。その谷間までばっちり見える。
手足と腰には白と金の細い輪っかや鎖の飾りが多くあって、ブレスレットとアンクレットが付いてる。手足の甲にも飾りと、いくつかの指の根本にも指輪みたいなのがある。完全に煌びやかなアクセサリー。
脚の部分はひらひらした長い巻きスカートのようで、大胆にもほどがあると怒られそうな大きなスリットが左横に入っており、歩くたびにチラリチラリと太ももまでが見える。でも、中身は見えない力が働いている。
簡単に言うと、すごく神聖なセクシードレス。これ、本当に鎧ぃ?
このこたち、どおするぅ?
めっちゃくちゃ神々しいんだけど?
目立ちすぎるよねぇ??
ピカピカ光らせながら歩いてたら、まさに女神降臨じゃん。
呼べば来てくれるし、空間収納にも入る。しかし封印はしたけど、まさかの邪神が怖すぎる。また急にぴょーんと飛んで来たらやだ。なるだけ身に着けておきたい。
とか思ってたその時に、神器たちは私の意志に合わせて自ら光を落とし、存在感を薄めていった。何というご都合仕様、これなら大丈夫だろう。めっちゃ高級そうな装備に見えるだけだ。
あとは、フード付きの白地に金の百合の刺繍を施した、素敵なタイトで厚手のロングコートを外套替わりに準備していた。頭から足先まで覆う、肌を一切見せない完全密封の構えだ。だがタイトなラインが、隠しきれないナイスバディを逆にエロく強調している。
このコートは神都周辺の魔獣の素材で創った。防御力関係の向上だけでなく、認識阻害、魔力遮断、気配消失など隠蔽系の魔法もこれでもかと重ね掛けしている、自慢の一品だ。
フードをかぶればこの美しきご尊顔は一切見えなくなる。そしてコートを脱いだら、とんでもなくエッロい女神が「こんにちは」しちゃうんです。
私はねぇ、お高いの。
肌は乙女にしか、一切見せないわぁ?
フフフッ。
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