6 町に赴く
さっきまで気が滅入っていたが、今は清々しい。
彼女も機嫌がいいのか足取りが軽い。
やっと森を出ることができそうだ。
歩いているとすぐ近くに小川が流れていた。
川の近くには草むらが生い茂っている。
「シヴァ、水だよ水!早く飲もー」
「おー、そうだな。ここでひと休憩しようか」
本当に歩き疲れた。小一時間休憩して次に進むとしよう。
草むらの上に横たわる。ふかふかで気持ち良い。横になった状態のまま彼女を見る。
彼女は服を脱いで水浴びをしている。
見てはいけない気がするが、とても気になる。少しだけなら。
彼女は満面の笑みを浮かべている。かわいい。
凝視していると再び彼女が怒るかもしれないので目線を落とす。半日もたたずにまた怒らしてはいけない。
何もできないので、ふかふかの草むらの上を満喫する。疲れがどっと押し寄せてきて微睡む。
草むらを満喫していると、突然顔に水がかかる。
彼女は微笑んでいる。
「シヴァ、早く行こ」
「分かった、もう水遊びは満喫したのか?」
「うんうん、充分満喫した」
「そういや、シヴァは寝ようとしてたでしょ」
「んー?ただ目を閉じてただけだよ。寝てはいないからね。断じて。」
「そっかー。まぁ目を閉じてたならいいかー」
「そう、目をとじてたよ…」
最初の数分彼女を見ていたなんて言えなかった…
川から出発して再び森の中へ入っていった。
まだ太陽は天高く昇っている。急げば今日中に町に行けるかもしれない。
「シヴァー、あとどのぐらいで町につくの?」
「うーん、あと数時間かな?」
ぶっちゃけ、どこに町があるのか知らないというか分からない。思うがままに進むしかない。今日町に行けなくても許せ、ミドリ。
何分、何時間歩いたのだろう。空はオレンジ色になってしまった。
だけど、遠くで建物らしきものを見つけることができた。
「ミドリ、あと少しだぞ。もう少しの辛抱だ」
「シヴァー、疲れた。こんなに歩いたの初めて。もう動けないー」
ミドリはとても疲れているように見える。長距離歩いているので仕方ないだろう。少女だもん。
仕方がないのでおぶることにした。
ミドリの胸は大きいわけではない。だからといって貧乳でもない。
ミドリを背負ったことにより俄然やる気が出てきた。早く着きたいが堪能したい。
ゆっくり町へ行こう。
すっかり日が落ちて、暗くなってしまった。だけど町に入ることができた。
野宿するわけにもいかないので、目に留まった宿に入った。
受付にいた二十歳ぐらいの女性が受付にたっていた。
「一泊三銅貨、二名で六銅貨です。」
銅貨?通貨のことだろうか?ポケットを探る。だけど一文も入っていなかった。
あたふたしていると、ミドリが一枚の硬貨を定員に出した。
「これで良いですか?」
「はい、これは大銅貨ですね。なので四銅貨のお釣りです。では、こちらのお部屋へどうぞ」
彼女が通貨を持っていたことに驚いた。
「どうして、ミドリは大銅貨を持っていたの?」
「ん?家族がね、困ったらお姉さんに渡してって言ってたから渡したの」
大銅貨があれば何でもできるのか?それとも家族は未来予知でもできるのか?
なんとか宿に泊まることができた。ふかふかのベッド。気持ちいい。
寝心地が良かった。




