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4 一日を終える

そうこうするうちに空がオレンジ色になってしまった。なんやかんやずっと同じところに居座っていた。


「この狼の肉どう食べるの?」


気がつくと彼女は木の根元で蹲っていた。相当心に刺さったらしい。


「……」


女の子ってどうしたら機嫌治るの?これからこんな気まずい感じで生きていくしかないのか。面倒見なきゃだし。俺に非があるかどうかはわからないが期限を治すために謝る誠意は大切。


「意地悪言ってすみませんでした。」


頭を深々と下げて謝る。少しでも気を許してくれるだけで充分。それ以上は望まない。いや心を開いて欲しい。気まずい空気で生きるのは嫌だ。俺はわがままなんだ。


数秒間ミドリは無言だった。聞く耳を持たなかったのかと考えてしまった。だが、その考えは浅はかだった。


「これを使うといい。」


ミドリは許してくれたのかわからないが、木の根元で蹲っていた状態から起き上がって近づいてきた。そして、持っていた石2つを手渡しして近くに落ちている葉と木を集めてきた。


渡された石をこれは何だと思い不思議に眺めていると突然石を奪われ「こうやるの」と言い、石をぶつける。


石と石がぶつかることにより火花が散る。実に大変そうだ。彼女は慣れた手つきで火花を葉っぱに移し、葉っぱが大いに燃え木の枝に火が移る。


「シヴァは今までどうやって生きてきたの?」


「どうやって生きてきたかだって?俺は今日生まれてきた。」


「へっ?」


「だから、今日生まれたようなもの。過去の記憶がなくて彷徨っていたら君に出会った。」


俺は今までの記憶がない。だからどうしてあの場所にいたかすらもわからない。だからどうしようもない。もっと上手く伝える方法があったはずなのに上手く伝えれなかった。もしかすると俺は口下手なのかもしれない。


なので、俺が木の根元にいて、剣を振り、花畑を眺めて、森を彷徨い、君にあったことを伝えた。


俺とミドリどっちが世間知らずなのだろう。俺はこの世界を知らなすぎる。俺も世間を知らないからぐうの音も出ない。


新しく出会う人はミドリと違って教養のある人物に会って世間を知る必要がある。知らないこと過ぎて、情報がなくて、わからないことだらけ。どうにかこの状況を打破するために早く人に出会わないと。そしてここはどこか知りたい。



何処かからか出てきた刃物を使いミドリは俺の過去話を聞きながら慣れた手つきで狼の肉を捌く。厚切りにした肉を熱した木の棒に刺して火によく当たるよう置く。肉がすこし焦げた程度までしっかりと焼いている。


見た目は焦げているが、目覚めてから半日経過してから何も食べていないので焦げている肉でさえ美味しく見える。味は美味しいと言える。


初めて食べる狼は食べた部位が硬かったのか、焼きすぎて硬いのか、肉自体がそもそも硬かったのか、原因はわからないがとても硬かった。雰囲気的には狼版のジャーキーといったところだろう。


肉を食べ腹がふくれる。空が暗くなったからなのかミドリは眠たそうにウトウトしている。俺は彼女を眺めつつ火を眺める。そしてたまに空を眺める。


「ここはどこなんだろう?はてこの先どうするか?」


嘆息を漏らす。空を眺める。月が黒い空に煌めく。


彼女は気づいたら既に眠っていた。あどけない寝顔をし、とても安心しているのかスヤスヤと眠っている。

月光が彼女の顔を照らす。眩しいのか彼女の耳がかすかに動く。耳に鼓動して尻尾も動く。


「月と犬耳少女。実にいい。眼福、眼福。」


いくらでも見ていることができる。


彼女は寝言を言っている。昼と違い夜は森が静寂なので小さい声でもかすかに響いている。


「はると、どうして、いなく、なるの。だけど、きょう、なつかしいにおいのひとに、あったよ」


涙が流れているが口元には笑みを浮かべている。ミドリを捨てた人物は彼女の寝言が言うには、ハルトというらしい。覚えたぞ。


彼女を眺めていると眠気が突然襲ってくる。いくらでも見ていられると思ったが睡魔に耐えられず横に倒れ、眠る。














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