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転職転勤

 まず、俺は、笹塚家具の笹塚社長に連絡を取った。

「お話があるのですが、お時間を取っていただけませんでしょうか」


 翌日、笹塚社長の秘書の池澤さんから「明日の夜八時にそちらにお迎えに上がりますので、翌朝までのお時間を空けておいてください」と連絡があった。


 池澤さんの車で案内されたのは新宿の高級ホテルだった。

「社長は部屋でお待ちですので」とルームナンバーを告げると、「それではごゆっくり。楽しい夜を」と去っていった。

 やはり今夜はそういうことになるのどろうなと、俺は覚悟を決めて、指定された部屋のチャイムを鳴らした。


 ホテルに備え付けのガウンを纏った笹塚社長が、俺を部屋に招き入れてくれた。

 「グッドタイミングね。ちょうどルームサービスの軽食とワインが届いたところよ」


 セミスイートの部屋のテーブルに食事が並べられてある。ツインの寝室が別についていた。

「この方が周囲に気を遣わずに済むでしょ。時間がもったいないから、食べながら話をしましょう」


 ワインで軽く乾杯をした後、サンドイッチをつまみながら本題に入った。

「それで、話って何。どうせ、あまりいい話じゃないんでしょ」


「先日のオファーのお返事をと思いまして」

「ふーん、どれから?」


 まずは、笹塚家具へ転職する話から始めることにした。


「ぜひ御社に入社させてください」

 俺は頭を下げた。


「はい、了解。細かいことは、社長室長の神鍋から連絡させるわ。次は?」

 あっさり俺の転職が決まった。


「実は、私、籍は入れてないのですが、ある女性との間に子供がありまして」

「ふん、そんなことはとっくに知っているわよ。私と大して歳が違わない女よね。いまさらそんなことを言い出すということは、私も、かのんの方も、脈なしということかしら」


「かのんさんについては、彼女の競技人生が一区切りついたところで、本人と話をさせてください」


「ふーん、今のところ彼女とは籍を入れるつもりがない。シングルファーザーの身でかのんと結婚って可能性もゼロではないってわけ? ま、いいわ、私の義理の息子になる件については先送りにしましょう」


「もう一つお願いがあるのですが」


「厚かましいわね」


「東京ではないところで勤務することは可能でしょうか」


「ふーん、あの伏魔殿をいよいよ解体しようってわけ? いいわ、考えとく。そっちの方は、今夜の二子神くんの頑張り次第かな、なんてね」

 

 彼女は本音とも冗談ともつかぬことを言うと、ウィンクをして席を立った。

「シャワーを使わせてもらうわ。残ったものは全部食べちゃってね」


 俺は食事をかたずけると、服を脱ぎ捨て、バスルームに侵入して、念入りにシャワーを浴びている社長を背後から抱きしめた。

 

「なによ、いきなり、 あ、んっ、もう、私みたいなおばさんにこんなことするなんて、いい趣味してるわね」


 彼女の敏感な部分は前回の時に確認済みだ。いよいよ立っていられなくなった彼女を、俺はお姫様抱っこでベッドへ運んだ。


「なによ、好条件を引き出すため本気で私をいかしちゃおうってわけ? それともプロポーズを断ったお詫び?」


「由美子さん、裸になっちゃったらただの男と女ですよ。そんな野暮なことは言いっこなしで、今夜は楽しみましょう」


「相変わらず、調子いいわねー。いいわ、乗った。今夜は思いっきり楽しませてちょうだい」 

 

 そういうと、由美子さんが俺に身体を絡めて来た。彼女の身体はもうすっかり準備が整っていた。


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