青雲之志
「美和、前に進もうとしているかのんちゃんを応援することが、本当の家族のすることじゃないのか?」
ああ、そうか。敦ちゃんはいつもそうだ。
今日の話も突然ではなく、彼とかのんちゃんが何度か話した結果なのだ。
後で聞いた話だけど、かのんちゃんはスカウトに来たスポーツ名門校への進学を希望していて、進路についても、本人やお母さんの笹塚社長の相談に乗っていたそうだ。
もうこれ以上、私に、抗う術は残っていなかった。
ようやくかのんちゃんに会えたと思ったら、一転この日がかのんちゃんと過ごせる最後の日となってしまった。
皆が気を使ってくれて、私とかのんちゃんを二人きりにしてくれた。
管理人室は既に引き払う準備をしているそうなので、かのんちゃんが私の部屋に泊まった。
その日は、二月の寒い日だった。
でも私たち二人は、服なんか着なくとも、身も心も暖かくなる方法を知っている。
初めての時は子供だったのに、かのんちゃんは大人になった。
いつの間にか身長は私を超しているし、体つきも、スレンダーながら丸みを帯びて、すっかり大人の身体だ。
「今日は私がねえさまにいろいろしてあげる。ねえ、私にいろいろさせて」
かのんちゃんの唇が、私の唇、首筋、肩、そして胸とだんだん下に降りてくる。それがおへその辺りまで来た時に、私は彼女が何をしようとしているか気が付いた。
「だめ!」
慌てて足を閉じようとしたが、太ももの間に手を入れられて抑えられてしまった。
私は太ももでかのんちゃんの小さな頭を挟み、両手を突っ張ってかのんちゃんの頭を押さえて逃れようとした。
「淳史にはいつもさせているくせに、なんで私はだめなの、ねえさま」
彼女のことばに、私の抵抗はおざなりになった。私の足に込めた力は弛み、かのんちゃんの頭を押さえる手は、彼女の頭をなでるだけになった。
かのんちゃんは私の中心に顔を埋めると、その舌を私の内部に割り込こませ、舌先で私のスイッチを押した。
完全に彼女に身体を支配された私に、ほどなく甘美な瞬間が訪れた。私の身体は波打ち、そしてベッドに沈んだ。
「どうだった?ねえさま」
私の反応をみれば、どうだったかなんで分かりきってるのに、この子は!
大きな声を出してしまったと思う。淳ちゃんとの時はお互い様だから聞かれても平気だけど、かのんちゃんとだとかなり恥ずかしい。
「悪い子ね。おかえしよ!」
私は体勢を入れ替えてかのんちゃんを組み伏せると、彼女の胸の突起を口に含んだ。
こうすると彼女はかわいい声で鳴く。もっと、もっと鳴かせてやる。私は夢中で彼女を慈しむ作業に没頭した。
男と女と違って、女同士の交歓はこれで終わりというものがないことを、かのんちゃんとこうなって知った。この夜、私とかのんちゃんは、際限なくお互いを睦みあった。
翌朝は社長秘書の池澤晶さんが車で迎えに来た。彼女も結構かのんちゃんLOVEで、私にライバル意識を燃やしていた節があり、「かのん様は私にお任せください」とドヤ顔で恭しく頭を下げられた。
車に乗り込もうとする彼女の背中に向かって、私は涙声で叫んだ。
「ここを出ていくからには、オリンピックでメダル、取ってよね」
かのんちゃんは、振り向かず、声も発せず、ただ右手の握りこぶしを、高々と突き上げた。




