衝撃一夜
かのんちゃん、もうかなりおかしくなっちゃっている。
私たちでなんとかしなきゃ。
美和さんはハウスの自分の部屋に戻り,管理人室には私たち三人でお泊りすることになった。「ねえさまも泊っていけばいいのに」と名残惜しそうに美和さんを見送るかのんちゃん。
三人だけになったところで、私と小夜ちゃんは、かのんちゃんに、このシェアハウスのおかしいところを説明した。でも、暖簾に腕押し、糠に釘、柳に風で、かのんちゃんはまともに取り合ってくれなかった。
時計を見るともう十一時、おやすみの時間だ。小夜ちゃんはベッドの下にお布団を敷き、私はかのんちゃんと二人でセミダブルのベッドに入った。
夜中にふと目を覚ますと、かのんちゃんはすっぽんぽんになっていた。ベッドの外にパジャマと下着が脱ぎ捨ててある。かのんちゃん、寝る時も裸って言ってたから、これもいつもの癖なのかな?
「かのんちゃん、そんな恰好で寝てると、風邪ひいちゃうよ」
そう声をかけようとしたら。かのんちゃんが突然私に抱きついてきた。
「ねえさま」
「もう、かのんちゃん、私は彩夏、ねえさまじゃな、、んっ」
いきなりキスされた。
かのんちゃん、キス、すごく慣れている感じ。
私はと言えば、当然キスなどまだしたこともなくって、突然のことに頭がぼーっとなってしまって、全く抵抗ができなかった。
「ああ、私のファーストキッス、かのんちゃんに奪われちゃった」
なんてことを思っているうちに、私のパジャマは下着ごと腰骨の辺りまでずり下げられ、かのんちゃんの右手がするすると私の下着の中に侵入してきた。
私は金縛りにあったように体を動かす頃ができず、唇はキスでふさがれたままで声も出せなかった。
(やめ、かのんちゃ、あんっ)
とうとう、かのんちゃんの細い指が、私の一番敏感なところに触れると、私の身体に電流が走った。
えっ、なにこれ? あっ、気持ちいいっ。
もうだめだ。かのんちゃんはやっぱり大人だったんだ。今夜、私はかのんちゃんに思うさま弄ばれちゃうんだ。
観念して目をつぶり、下半身の力を弛めた時、指の動きが止まった。どうやらかのんちゃんは本当に寝ぼけていただけだったみたいだ。
中途半端なところで放り出された私は、すやすやと寝息を立てるかのんちゃんの横で、まんじりともせずに朝を迎えた。
「あれ、なんで私、裸なのかな。 ん、彩夏ちゃん、なんか顔が赤いよ」
翌朝目を覚ましたかのんちゃんは、案の定、昨夜のことは何も覚えていなかった。
私は、恥ずかしいやら、悔しいやらで、かのんちゃんの顔をまともに見れなかった。
でも、同時に、私の中に強い使命感が芽生えた。
私は、友人として、かのんちゃんをこの魔窟から救い出し、目を覚まさせてあげなければならない。
朝食はハウスのリビングで五人で取った。
私は淳史さんと美和さんに言った。
「私、ここ、すごく気に入っちゃいました。また遊びに来てもいいですか」
「あ、いいよ。いつでもおいで」
絶対、決定的な証拠をつかんで、かのんちゃんの目を覚ましてみせる。私は心に固くそう誓った。




