疑惑満載
かのんちゃんも美和さんも淳史さんも、この三人の関係、なんだかおかしい。いや、このシェアハウス自体が、微妙に怪しい。
夕食は美和さんの手作り料理を五人でいただいた。
本来であればライバル関係みたくなってもおかしくない美和さんに、かのんちゃんはべったりだ。美和さんもかのんちゃんをすごく甘やかしているみたい。
「あ、そのサラダのプチトマト、美味しそう。ねえさま、かのん、それ食べたい」
プチトマトを咥えた美和さんがかのんちゃんに顔を近づけ、かのんちゃんも自然なしぐさで顔を傾ける。
「んっ」
プチトマトを口移しにした!
さて、いよいよお泊りの準備だ。
このシェアハウスに私たちが泊まれる部屋なんてあるのかなと思ったら、管理人室は隣のマンションにあるんだそうだ。私たちは美和さんとかのんちゃんと四人でそちらに移動した。
マンションのお部屋は、1LDKながらリビングは8畳以上あるのだろうか、寝室もセミダブルのベッドの横にお布団を二組余裕で敷ける、一人暮らしにはかなり贅沢な広さがあり、内装も清潔で、失礼ながらシェアハウスとは全然違って、とても快適な空間だった。
私たち四人は、リビングでお菓子を食べながらガールズトークに花を咲かせた。
「それでね、私がちゃんと敦ちゃんと話をしなきゃって決死の覚悟で帰ってみたら、彼ったら、酔っぱらってひなたちゃんとアニメソングをデュエットしてたんだよ。私、バカみたいじゃない!」
話題がここにはいない淳史さんの話になると、二人して彼の悪口を言うのだが、結局それはのろけ話で、なんか「あーあ」って感じ。
「ところで美和さん、かのんちゃん。今日は、その、淳史さんは、あっちのハウスで一人なんだよね」
「ああ、今日は遥さんの日だから」と美和さん。
え、遥さんって、あの子持ちの人だよね。遥さんの日ってどういうこと?
そろそろ順番でお風呂に入ろうということになり、まず私と小夜ちゃんがお風呂をいただいてパジャマに着替えた。
その後、美和さんとかのんちゃんが二人で浴室に向かった。
その隙に、私は小夜ちゃんとこのハウスについてひそひそ話をした。
「彩夏ちゃん、このハウスにいたら、かのんちゃん、おかしくなっちゃうよ」
と小夜ちゃん、彼女も私と同じことを感じていたみたい。
そんな話をしていると、二人がお風呂から上がる気配がした。
「あ、まずい、聞こえちゃったかな?」なんて思う余裕はなかった。なんとお風呂から上がった二人は、全裸のまま、前も隠さずに部屋に戻って来たのだった。
少女から大人になりかけのかのんちゃんの身体は、同性の私から見ても本当にびっくりするくらいきれい。美和さんも、スレンダーだけど出るところは出て、大人の女って感じで、二人並ぶとまるで一枚の絵画のようだ。
って、それはそれとして、すっぽんぽんでお風呂から上がってくるなんて、絶対に変!
びっくりした私は、思わず叫んでしまった。
「かのんちゃん、美和さん、その、ええっ!」
「いけない、いつもの癖で、つい」とてへぺろの美和さん。
「え、女同士なんだから、別にいいじゃない」と、何言ってんのって感じのかのんちゃん。
おかしくなっちゃうなんてものじゃない。かのんちゃん、もうかなりおかしくなっちゃっている。




