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災厄襲来

「かのんちゃんがここへ来るんだ。大家さんだから、みんなも挨拶してね」

 

 その週末の土曜日の昼下がり、黒塗りの高級車がハウスの前に停車し、運転手が恭しくドアを開けると、小柄な女性が車から降り立った。


 小柄というか、子供だった。

 それも、亜麻色の髪にとび色の目の、とびきりの美少女だった。


「淳史っ!」

 美少女は、玄関に出迎えに出ていたあっちゃんに駆け寄ろうとしたところで、彼の横に並ぶ私たちを認め、怪訝そうな顔をしてその歩を止めた。


 リビングに場所を移し、淳ちゃんが私たちを紹介すると、彼女は不機嫌さを隠そうともせず、自己紹介を返した。

「笹塚かのん、このハウスのオーナーよ。よろしく」

 

 このシェアハウスは、元々は笹塚家具の社員寮だったそうで、老朽化して使われなくなっていたものを、彼女が敦ちゃんのために買い取って、個人的に賃貸契約を締結しているそうだ。


「あの、笹塚さんは、随分お若く見えるけど?」

 おそるおそる遥さんが尋ねた。


「小学校の六年生よ。文句ある?」


 自己紹介が終わると、笹塚かのんさんは敦ちゃんに説教を始めた。

「様々な分野の若手を集めて切磋琢磨せっさたくましたいっていうから、将来のお婿さんの成長のためとマミーと相談してここを提供したのに、女ばかり4人も集めて、いったい何を切磋琢磨をしているのかしら?」


 さらに私たちを一瞥して、

「言っとくけど、あなたたちに嫉妬してるわけじゃないわよ。淳史のことなんてたいして好きじゃないんだからね」

ツンデレだ! ツンデレの小学生を、リアルで初めて見た。


「まあいいわ。淳史、私が担当する予定の新規事業のプレゼン資料だけど、conceptはあれでいいけど、marketのpotentialityについて、category別にもう少し踏み込んでみてくれないかしら」

 小学生が仕事の話をしている!


「もう少し具体的に打合せしたいから、、淳史の部屋へ案内してちょうだい」


 リビングで待機する私たちに、敦ちゃんの部屋から二人の話し声が聞こえてきた。


「それでね、かのん、運動会のリレーの選手に選ばれたんだよ。すごいでしょ。淳史は観にきてくれる?」

「うん、たくさん応援するよ」

「えへへ、かのん、頑張るね」


「なんだ、やっぱり小学生じゃない」

 安堵する我々をしり目に、一人遥さんは警戒心を強めていた。


「あのツンデレぶり、間違いなく彼女は淳史くんに恋している。まだ第二次性徴が始まったばかりだけど、やがて大人の身体になって性欲が芽生え、私たちが淳史くんと何をしているかを知ったら、あの子はきっと権力を使って私たちを排除にかかるわ」


「それじゃ私たち、どうすればいいの」

「先手を打ってこちら側に巻き取るしかないわね」






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