あとがき
初めまして。もしくはお久しぶりです。作者の栗北です。
この小説を読んでいただいた方、こんな場末の投稿を見つけてくださり、ありがとうございました。
前書きにもある通り、このお話は以前投稿していた別作品『ガールズバンド 影を踏む』のスピンオフです。
その本編でも、章ごとに主人公以外の脇役たち視点で描いたお話を「閑話」として挟んでいました。
しかし掘り下げたい脇役の数に比べて本編の章数が足りず、当時から誰の話を採用するか、頭を抱えていたのです。
断腸の思いでお蔵入りになった閑話のうち、最後まで入れるか悩んでいたのがこの「御門隼斗」のお話でした。
そもそも本編では主人公たちがバンドでどんどん活躍していくのですが、私としては「その影に隠れて埋もれていった凡人たち」の方が本当に描きたいテーマでした。
なのでこのスピンオフの主人公は、登場人物の中でもかなりそのテーマにお誂え向きだったのです(可哀想)。
おかげで私自身も、人生に対する考え方の変遷や葛藤など、本編で伝えきれなかった部分まで痛いほど盛り込めたような気がしています。
決して青春眩しい爽やかなバンドもののお話ではありませんが、毎日を必死に生きる誰かの心に寄り添えていたら幸いです。
他にもお蔵入りした脇役たちは居るのですが、それをちゃんと清書して投稿するかはまだ決めていません。もしそのときが来たら、またぜひ読みに来てくださいね。
それでは、またどこかでお会いしましょう。
2024.11.8 栗北あるひ(夜)