【魔王討伐RTA】最速の移動方法はコレだ!!【魔王攻略組必見!!】part4
王都を出て1週間。
本来なら経由するべきであろう街や村は全て無視して目指すのは海上都市ストルイ。
魔王城が有るマハトマ大陸への船が出るはここだけだ。
だがしかし問題もある。
『遠すぎるだろ、ストルイ』
王都から徒歩での移動ならストルイまでは通常4週間ほど掛かる。
そこでいつも使う方法が野盗に襲われた商人達の馬を借りる方法だったのだが。
『まさか軍が野盗討伐に兵を寄越すとはなぁ』
肝心の野盗達が一斉検挙で居なくなり、王都〜ストルイのゴロツキ街道が平和街道に生まれ変わっていた。
(頼む!誰でも良い!襲われろ!)
良い子の願いは届くのが道理らしい。
幾分か先の道外れで戦闘を確認。
片方は騎士の装い、もう片方は野盗らしい不揃いな見た目。
これは日頃の行い◎。
駆け出して戦闘に加わる。
野盗を後ろから強襲して首を落とす。
遠くからだと確認できなかった具体的な人数を再度確認する。
騎士隊は残存6名、うち戦闘が継続できそうなのが4名。
野盗サイドは残存11名、深傷を負っている奴は居ない様に見える。
『・・・加勢する側を間違えたか?』
しかし騎士隊の戦闘を見て、すぐに考えが変わる。
『・・・強っよ!?』
勇者とか要らんだろマジで!
老兵らしき奴が特にヤバい。
軽々と自身と同じ程の大剣を振り回して、敵を真っ二つに斬り伏せる。
結局戦闘が終わる頃までに俺が殺したのは3人。
不意を突いた奴を除けば、正面から対峙したのは2人だけだった。
『加勢に感謝申し上げる、報酬は金貨で良いか?』
唖然とした表情で騎士隊を見ていると、老兵が話しかけてくる。
表情を整えて、本来の目的を要求。
『馬を頂きたい、実は野盗に連れてきた馬を射られてな、代わりの馬を探していた』
最悪断られたら夜に馬盗んで逃げます。
なので断らないで?
『うむぅ、それは弱ったな、我々も護衛の対象が居る手前馬を失う訳にはいかないのだ』
老兵ハ断リ ヲ 入レテキタ!
良し!盗もう!
そう決断し、共に居る口実を作ろうと話しかけたその時。
『私の命で馬を渡す許可を出します』
馬車の戸が開き、名家のお嬢さんらしい装いの子が降りてくる。
長くなったので2つに分けました。