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37.リゾート開拓案②



 流石に出しゃばりすぎたか。私は、乗り出していた体をすごすごとひっこめては、すとんと椅子に腰を掛けた。大人の様子をうかがっていたが、アーレン伯父様はなにやらぶつぶつと零して真剣に考え、スヴェンダお爺様は楽しそうに目を細めて顎に手を当て大きく頷いていた。



「なるほどなるほど、高い方が一等地にしてしまえば確かに上位貴族には安全を売れるな」


「条例を敷いて建物のつくりを統一させるというのもまた新しい見解だなぁ」



 京都とかそういう条例を敷いて、日本の古来の景色をできるだけ再現するようにしている市があると聞いたことがあるが、それがまさかここでスヴェンダお爺様に刺さるとは。



「基本、住んでいる地域で作られる建物はたいてい似たり寄ったりで、自然と決まってくるものではあるのですが、今回はあえてこちらで決めてしまった方が新しいかと思います。綺麗な街並みと住みやすい家を上手く掛け合わせて。既に住人もいますので、その人たちの家屋も新しく立てたいですね。あと、浜辺には飲食店などの食べ物屋さんを置いて、別荘地寄りの高台には、洋服などのものは、どちらかというと高台寄りにした方がいいかな。これらって、高級品だから流されたりしたら損害がすごそうだし。あと、海に入った後はお腹がすくと思うと、飲食店や食べ物などが購入出来たり飲み物が購入出来たりするとうれしいよね」



 私は、身を乗り出すことはせずに腕を伸ばして、指先でここら辺となぞりながら伝えると、アーレン伯父様の顔が面白いくらいに崩れていく。


 この人、こういう開拓していくのが好きなのだろうか。



「一等地を売るというのもあるかと思ったけど、海の見えるそれは、贔屓にしている上位貴族だけにして、あとはホテルで固めてしまうのもありかも。一等地に大きなホテル建てて、階層ごとに値段を分ける。高い階層になれば、一部屋をとても広くとって、金額を上げる。景色はとてもいいから、これで収入はあるかも」



 別荘地としてさっきまで考えていたが、リゾート地と言えばホテルだと言うのを忘れていた。



「むしろそのホテルを、緊急時の避難所にしてもいいかも知れない。部屋数も多く準備すれば、いざというときに逃げてきた領民をかくまうことも出来るし、ホテルってだけで、食料も着替えも準備してるし。うんうん、それがいいね。あ、大きく横に広くして、敢えて高級品のショッピング街をホテル内に作るのありかも。そうだよ、モールみたいに中は吹き抜けにして3階層で、色んなブランドの物をテナントで……」



 ここまで来ると自分の世界だ。私は、前世のショッピングモールを思い浮かべては1人で盛り上がってた。私の発してる言葉に理解ができてない男たち4人は、私の突拍子の無い言葉を並べるので困惑して返す言葉もないようだ。



 私はそんな雰囲気の4人に気が付かずに、思い浮かんだ内容をただ並べては1人でキャッキャしていた。なので、最初の高台を一等地にする話とその理由以外は全部私の自己満の内容で取り止めがない。



「んっんー」



 そんな私の暴走を止めたのは隣にいる閣下の空咳だった。私はハッとしては、少し暴走しすぎたと自覚すれば、恥ずかしさで顔に熱が集中する。分が悪そうに、すごすごと「失礼しました」と小さく零して首をすくめた。



「今の流れでリアラの熱量はよくわかったぞ」



 スヴェンダお爺様は楽しそうにカラカラと豪快に笑ってくれた。



「だが、ずっとリアラが呟いていた内容は取り止めもなくまとまってなかったようだ。どうだね、少しだけ内容をまとめていくというのは」



 私は、未だに弾かない頬のほてったじょうたいのまま、スヴェンダお爺様の言葉に小さく頷いた。



 そして、それを見たアーレン伯父様が執事に指示を出す。メモ書きなどが出来るように紙とペンを用意することと、一息が出来るようにお茶を準備してほしいと。そうして、執事が退室して、すぐに新しい紙の束とペンが用意される。



「それじゃぁ、まずは別荘地にするか宿泊施設にするか、だね」



 楽しそうに頷くアーレン伯父様に、大暴走をしてしまったことは怒っていないのだと分かると少しほっとした。確かに、興奮してまともに息を吸っていなかったように思う。夢中になると止まらないのは、周りが良く見えていない証拠だ。あまりよくない。



「最初は貴族の別荘地を考えておりましたが、それは少なくして、宿泊施設を多めにする方がいいかと思いました」



 私の言葉に、伯父様がその言葉に頷いてペンを走らせる。



「その理由は?」


「せっかくのリゾート地で、遊びに来れる要素があるというのに、それこそ別荘地を持っている人だけしか遊びに来れなくなるからです。別に別荘地を持ってはいけないわけではないので、作っていただくことはあるのですが、多くないほうがいいでしょうね。人気に拍車がかかると、立地は高くなってどんどん激化した後、領民が引っ越せなくなったり商人がここで店が開けないっていう状態が怖いですし。何より、隣が停泊できる港もあるので、商売ではなく旅行で海を渡ってきた人たちも来るということも忘れてはいけないと思いました」


「なるほど。なら、別荘地を作成できる場所は区切って区画整備するようにするか」



 私はその言葉に頷きながら賛成するのと同時に、ずっと気になっていた箇所を指さす。海の見える高台の後ろにある、森のところを指さした。浜辺からは随分と離れてしまうし、ここまで来てしまうと、海は見えない。



「海からは離れてしまいますが、ここら辺。森を切り開いて区画整備していいと思います。自然の中に隠れる隠れ別荘地みたいにしてしまうんです。海からは少し離れますが、ブーゲンビリアとライラックの間はちょうどいい高さですから、波は上がってこないですし雨は下に流れていきます。ここに馬車道を整備して、森の中に別荘地を並べると、気持ちがよさそうではないですか。海は見えないので、景色に付加価値はつけられませんから、土地代はそこまで高くなくていいと思います。それでも、別荘地ということは、普段は使われないので、月々の土地代として、ハウスメイト代や騎士の見回り代も含めて、さっきの一等地よりは安いですが上げた方がいいでしょう。同時に、騎士の給料を更に上げた方がいいですね。貰った分だけ、働いた分だけ増えていくので、やりがいを見いだせる人もいるかと思います」



 私の言葉にうんうんと頷く大人4人。なんだか納得したように聴いてくれるのでついついぺらぺらと喋ってしまっているが、本当にそれでいいのかは不安が残る。それでも、抑えられないわくわくが今度はこうしたいっていうのを頭が訴えるので、私は「次に……」っと口を開いた。



一口メモ:決まったこと

・高台に高級ホテルを作る。

・森の方を別荘地として土地を拓く

・商人を呼ぶ


リアラがしたいこと

赤レンガの倉庫みたいな、趣のあるショッピングモールを作りたい

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