第16話 黒幕-馬車にぶつかって死ね
「ほお、失敗した上に金を出せと?」
宿屋の一室、カーテンが閉ざされた薄暗い中、窓辺にたたずむ男が言った。
フードを深くかぶり、顔が見えないが長いひげが見えている。
「槍さえ持たさなけりゃ苦もなくひねれる、とか言いやがって、大ウソじゃねえか!」
人相の悪い小柄な男が言った。
「それは、お前らの問題だろう。こちらの知ったことではない」
「いいのかい、そんな冷たいこと言って?、知ってんだぜ、てめえが誰だか」
フードの奥の目が光った。
「アゼリアの外交官、ゲルド・チェリク。おめえの依頼内容を城の騎士さん達に伝えたら、面白がるだろうな」
フードの男、ゲルドが男に近寄った。
男が短剣を引き抜いた。
「図星か?、それなりの口止め料がありゃ、黙っていて……」
ゲルドが腕を伸ばし、男の顔の前で手を開いた。
手の平に小さな魔方陣が暗い光を放って浮かび上がった。
男が不思議そうに見た瞬間、立ったまま、ガクッと気を失った。
「そのまま外に出て、馬車にでもぶつかって死ね」
「外ニデテ、シネ……」
男は白眼をむいて、つぶやきながら部屋を出て行った。
ゲルトはため息をついて、独り言をつぶやいた。
「姑息な手段は効かないか……」
窓の外から、ガシャーンと言う物音、馬の鳴き声、人の叫び声が聞こえてきた。
「誰かが馬車に飛び込んだ!」
「もう死んでるぞ!」
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