84/98
マフラーはOK
逆風うて子は、流れに逆らって生きる。
例えば、冬。うて子は冬になると普段着としてスクール水着を着る。もちろん寒いが、寒いからといって厚着をするのは彼女に言わせると『冬の寒さに負けを認めることになる』らしい。
だから逆に、寒いときほど薄着になる。
うて子の両親や学校の先生は何度も「服を着てくれ」と頼んだが、そのたびに彼女は「私は寒くない!むしろ暑いかな!」と強がって唯一着ている水着まで脱ごうとするので、もう誰も何も言わなくなった。
先日、うて子は『全てに逆らう少女』として地元の新聞のトップを飾った。
絶対にブレない。同調圧力に屈しない。何者にも従わない。彼女のそんな生き方が今、少しずつ評価されつつある。
彼女は勇者か変人か。まだその評価は定まっていない。




