だから私は嫌われる
「オレん家、いま小人が住んでるよ」と友人が言うので私は彼の家に遊びに来たのだが、なんと小人は三人もいた。
ちょうどおやつの時間だったらしく、みんなでキャッキャ言いながらフルーツロールを食べている。
外はカラスやネズミなどの天敵が多いので小人は人の家に住まわせてもらう場合がほとんどなのだが、ひとつの家に同時に三人も小人がいるのは大変珍しい。
「良いなぁ。なんでお前ん家ばっかり」と私が本気で羨ましがると、友人は「ま、小人も住む家を選ぶからな」などと得意気に言う。
「私の家に来てくれたら、めっちゃ可愛がってあげるんだがなぁ。毎日おやつも奮発するし、一緒に遊んであげるし」
「それが駄目なんだよ。だからお前んとこには小人が寄り付かない。小人は別に『守ってほしい』とか『可愛がられたい』なんて思ってないんだよ。放っておいて好きにさせてやって、向こうから近寄ってきたら、そのときは相手の要望にしっかり答えてやる。コレよ」
悔しいが妙な説得力を感じて私は何も言い返せなかった。事実こいつの家には三人も小人がいて、私の家にはひとりもいない。
昔、一度だけ私の家にも小人が来たことはあったのだが、その子は半日もせずにいなくなってしまった。あのとき、確かに私は小人に構いすぎたかもしれない。
でもなぁ。こんな可愛い小人が家にいたら、私はやっぱり構っちゃうなぁ。




