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人魚とタコとあなたと私

 人魚とタコが海のなかを泳いでいると、ウツボがいた。

挿絵(By みてみん)

 ウツボは穴から顔だけ出したまま動かない。人魚がタコに聞く。

「あのアナゴ、なにしてるの?」

「アナゴじゃないよ、あれはウツボだよ。お腹がすいたから、ああやって魚やタコが近付いてくるのを待ってるんじゃないかな」

「へ~。怖いねえ」

「うん。近付いちゃ駄目だよ」


 人魚とタコがふたたび泳いでいると、ちょうど人魚が入れそうな穴を見つけた。

「ちょっと入ってみたいな」と言って人魚が穴に入る。

挿絵(By みてみん)

「ちょうど良い~」

 穴から顔だけ出して、ウツボの真似をしてぽーっとしている。タコは人魚のウツボごっこをそばで見ている。


「なんか眠くなってきちゃった」と言って、人魚が穴のなかで寝はじめる。タコは人魚と穴の隙間に潜りこみ、人魚といっしょになって寝た。

挿絵(By みてみん)


 ・・・いえ、私には十年以上付き合っている彼女がいるんですけどね、私たちもこの人魚とタコみたいな感じで毎日ゆるりと過ごしていまして(私がタコ)。

 ホントなんにもない退屈な毎日なんですよ。でも私は結構しあわせでして。お互いが元気で、たまにいっしょに散歩でもできればそれで充分で。

 相手がどう思っているかは分かりませんが、まあずるずる付き合ってくれているし、これでいいのかなって。

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