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茂地もちるに関する報告
茂地もちるは餅を焼いていた。
餅は焼くと膨らむ。膨らんだ部分はもちもちに、膨らまない部分はカチカチになる。
もちるは、本当はもちもちな部分だけを食べたい。しかしカチカチな部分を残すと母親に叱られるので仕方なくカチカチも食べる。
世の中には光と闇がある。プラスとマイナスがある。マルとバツがある。ならば、もちるとは逆にカチカチが好きでもちもちが嫌いな人だってきっとどこかにいるはずだ。
「もしそんな人と仲良くなれたら、もちもちとカチカチを交換できるのになぁ」と思いながら、もちるはカチカチをかじる。
食パンの耳、ピザのはじっこ、茶碗蒸しのしいたけ、ハンバーガーのピクルス、酢豚のパイナップル、エビフライのしっぽ、餅のカチカチ。
もちるはそれらを交換してくれる人を求めている。




