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前花けいに関する報告
エプロンは一般的に台所に立つときや掃除をするときなどに着るものとされるが、前花けいはエプロンを普段着のようにいつも着ていたいと思った。
だから今日はエプロンを着て学校に行くことにした。
前花けいがエプロン姿で登校すると言い出したとき、彼女の母親は反対しようか迷ったものの結局そのまま登校させた。しかし娘のことが心配で仕方なかった。
学校で叱られないだろうか。友だちにからかわれないだろうか。嫌な思いをしなければ良いが。エプロンの機能性の高さを考えるとむしろ学校がエプロン着用を推奨しても良いような気さえするが、どうだろう。やっぱり叱られるだろうか。
母親の心配をよそに、前花けいは学校に向かって元気いっぱいに走り出した。
普段着としてエプロンを着ることが女子たちの間で流行り、町がエプロン女子で溢れる日がいつか来ないものだろうか。前花けいが流行の火つけ役になることを期待して、これからも彼女の観察を続けたい。