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柿なぐるに関する報告

 かきなぐるは四コマまんがを描くのが好きだ。


題名:だいこん

作者:柿なぐる

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

 これを彼女自身は面白いと思って描いている。描きながら自分で笑っていたし、繰り返し読んでやっぱり笑っていた。


 彼女がこの四コマまんがを描こうとしたとき、最初に頭に浮かんだものは大根だった。なぜ大根だったのかは彼女自身にも分からない。近くに大根があったとか今日大根を食べたとか、分かりやすい理由はなにもない。ただ四コマまんがを描こうとしてペンを持ったら大根が頭に浮かんできただけだ。「なんとなく」でしかない。

 一つ目のコマに大根を描いてみる。話の展開もオチも、この段階では何も決まっていない。なにかきっかけを与えて物語をスタートさせなければ次のコマに進めないので彼女は大根に喋ってもらうが、なぜ大根が喋るのかは考えていない。彼女にとってそれは考えるべきことかどうかの対象ではない。とりあえずこれで最初のコマが暫定的に決まる。

 彼女の頭の中で大根が急に踊り出した。なので二つ目のコマには踊る大根を描く。なぜ大根が踊り始めたのかは分からない。「なんとなく」だ。まだオチは思いついていない。

 大根が踊ったらどうなるかと彼女は考える。やはり「なんとなく」折れるイメージが浮かぶ。これで三つ目のコマが決まったわけだが、この時に彼女の頭の中にオチが湧いた。

 大根が折れる、折れた大根は死ぬ、死んだらお化けになる、お化けといえば人魂、人魂と大根は白いし尻尾の形が似ている、大根は死んでお化けになっても姿は大根のまま変わらない、というオチ。これで四コマが完成する。


 彼女は描いたまんがを友だちに見せたりもするが、評価は今ひとつな場合が多かった。彼女にはなぜ面白さが相手に伝わらないのか分からない。

 思うに、彼女は「なんとなく」という個人的な感覚に頼りすぎなのかもしれない。だから人に伝わりにくいのではないか。例えば二コマ目で唐突に大根が踊り出すが、それならば最初のコマの台詞を「ぼく大根。踊るの大好き」とかにしてやれば流れが生まれて読む人が分かりやすくなるのではないか。


 私もこの報告書を作るときは、いつもなんとなく書いているのでこれからはもうちょっと脳に働いてもらいたいのだけど、私は難しいことを考えずにこれまで生きてきてしまったからなぁ。無理だろうなぁ。

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