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路某野とも子に関する報告
路某野とも子はロボのピューイと遊ぶのが好きだ。
ピューイはソフトビニール製で、腹を押すと「ピューイ」と音が鳴る。とも子は小さいころから彼とおままごとをして遊ぶのが好きだった。
「さあピューイ、今日のおやつはコロッケですよ」
「ピューイピューイ」
「揚げたてでまだ熱いから、ゆっくり食べなさいね」
「ピュイピュイ。アピュッ」
「あー、もう。だから熱いって言ったのに。ホント食いしん坊なんだから」
「ピュコホー」
とも子とピューイが本当に会話をしているようにも聴こえるが、彼女がピューイの腹を巧みに押し分けて会話をしているかのような音を出させているだけだ。押す位置と、押す強さをうまく加減することで様々な音を出せるようだ。
毎日ふたりでおままごとをして遊んでいるうちに、とも子はすっかりピューイ使いの達人になっていた。




