表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/31

序章:クビになってネトゲを始める編:③-序章完結編ー

 自宅に戻り、パソコンに、『アルヴァマー大陸物語』をインストールする。

 しかし、村田がこんな提案をしてくるとは。


 「お屋形様、私も、この現実耐えられないと思い、これを始めました。なぜならば、銀行は、数年前に放送していた某ドラマの世界ですから。」

村田はそう言った。

 話を聞くと、村田はこのゲームでソロプレイをはじめ、ずっとソロで活動していたという。ギルドを作成し、チームを作るなどもできるが、どうも合わなかったらしい。

「一緒にプレイして、ギルドを作りましょう。家に帰ってインストールして、設定できたら連絡ください。」

 動画を作ろうという提案をくれたので、この提案も断りきれなかった。


 しかし、おそらく次の仕事が決まるまでと割り切っているが、明日からの僕はどう見てもどう見ても、廃人だ。今日は金曜日。村田も週末は休みらしく家に帰ればすぐにプレイができ、週末、村田がこのゲームについて、教えてくれるらしい。

 しばらくリフレッシュできると思ったのに、思いもよらないものに付き合わされたなと内心思う。


 えっと、ユーザIDはメールアドレスにして、パスワードもいつも使っているものにする。そして、名前。ここで使うニックネームかあ。検索してみると、外国語のようなニックネームが望ましいとのことだ。それを無視して、○○の盗賊などする人もいるが。ニックネームは他のユーザと重複してもいいらしい。チャットしたい相手をクリックすれば成立することになるからだと記載されている。

 上杉信勝、上杉謙信、ライバルの武田信玄、お互いに信の文字がある。信じる。英語ではビリーブだ。うーん、他の言語ではどうだろうか。例えば僕が大学時代選考したフランス語で、『クロワール』と発音する。これは使えそうだ。

 ニックネームをクロワールとした。

 キャラクターの性別は男性を選んだ。

『クロワール』で検索を続けると女性のような感じもするが、まあいいだろう、○○の盗賊よりましだと思った。それに、ネット上のあだ名なのだから。キャラクターは女性を選ぶ男もいるし、逆もあるが、ここは男を選択した。現実通りで。


 次は職業だ。うーん、何にしようか、職業だけでもかなり種類がある。レベルを上げて行けばさらに上の上級職になれるらしい。転職も可能だという。この時は装備できる武器のレベルは引き継される、また、レベルや各ステータスの値もすべて引き継がれるのだそうだ。職業によって、ステータスの伸びが違うという。ただしレベルは最大で、200まで。レベル200の状態のことをレベルMaxというのだそう。このレベルまでで、いかにステータスを上げていくかが重要らしい。

 オーソドックスにナイト、騎士、で行こう、剣と槍が装備できる。上級職になれば、剣と魔法が使える、魔法騎士になれる。初めから攻撃魔法が使える、黒魔道士でもよかったのだが、前衛が必要かなと思い、そうしたのだった。それに、また職種は変更できるし。

 

 早速、クロワールというあだ名で、アルヴァマー大陸物語、アルタイにログインしてみる。

 基本操作コマンドをレクチャーされた後、操作の動きに慣れていくべく、モンスターを何体か倒してみる。

 操作にも慣れてきた様子だ。よし。フィールド探索をここまでにして、近くの町に行ってみる。すでにレベルも5になっていた。

 『ハルジオン』という町だ。武器屋、防具屋などいろいろある。装備品はモンスターを倒して稼いだゴールドというお金で買えるが、ゴールド欲しさに課金して買うユーザもいるらしい。確かに、ハルジオンの町は小さな町ではあるが、武器屋が2つあり、一つは安そうな武器屋、もう一つはいかにも高級感漂う武器屋があり、安そうな武器屋ならば僕が今持っているゴールドで買えるが、高級感漂う武器屋には、1点、10万ゴールド、もしくはゲームをプレイし続けたらもらえる、ダイヤが100個必要、など、絶対に課金しないと買えないようなアイテムが並んでいた。ちなみに課金は、1円からでき、1円で10ゴールド、100円でダイヤ一個だそうで、この10万ゴールドのアイテムを買うには1万円を課金しなくてはならないそうだ。

 ハルジオンの町を散策したところで、村田に連絡を入れる。

【ログインした。ハルジオンの町にいる。クロワールというあだ名で、騎士の職業だ。】

【了解しました。】


 しばらくすると、いかにも大柄で、革の服を着て、右肩を露出し、頭にはバイキングのような両方に大きな角の生えた兜をかぶっているいかにもごつい戦士が現れた。

 マラータというあだ名で、僕にチャットをくれた。

【お屋形様村田です。マラータは村田をもじったあだ名です。】

なるほど、村田らしい体格だ。職業は戦士で装備は斧だ。レベルは30ある。すごい。

【おめでとうございます、お屋形様、これでネトゲ廃人ですね。】

【確かにそうだな、お前と違い、いつでもログインできるのだから。】

僕は、事実を返した。

【それでは、立派なネトゲ廃人になれるよう、この土日は、このゲームの楽しさを私がみっちり教えますので、よろしくお願いいたします。早速、二人で狩りに出かけましょう。】

【そうだな。よろしく】

と、僕は内心笑顔で返信して、早速村田と狩りに出かけることにした。


 ログインして、プレイしたが、ゲームの内容はとてもきれいな風景に、キャラクターのデザインもとてもクオリティの高いゲームだと分かった。これなら、村田とチャットしても大丈夫だと思った。


ーー序章:完、次編に続くーー



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ