難題を押しつけられた
こんばんはマルマルです。
正直、続きを書くかどうか迷いました。
でも、評価やPV数も、思ったより良かったですし、感想も頂いて励みになったので、しばらく頑張ってみようと思います。
これからもよろしくお願いします(^^)/
○会議の部屋
「いきなり、そんな大声出してうるさいぞ」
顔をしかめ両耳を押さえる幸村
「だって、趙雲様は三国志で人気の武将なの。
蜀という国を作った劉備玄徳の家臣になって、
5虎大将軍の一人として、目覚ましい活躍をしたメチャクチャ強い武将よ。
若い頃は色々な国を放浪してとは聞いていたけど、まさか、山賊になってとはね~。
はぁ~。せっかく会うの楽しみにしてたのに、善良な民を殺す極悪人とはね~。
なんだか、やる気がなくなった。( ̄3 ̄)ふぅ~」
落胆するナオ
「どうした鉄。耳を押さえて」
心配そうに尋ねる文節
「い、いえ。大丈夫です。それで、なぜ山賊達の事を言ったのですか?」
「鉄は、後継者になりたいんだろ?」
「そうです。」
「だったら、鉄の力で山賊たちを討伐して欲しい」
「!!!!!」
ビックリする一同
「竜兄上。何を言ってるんですか。」
困惑する幸村
「3つの理由がある。
1つ目は、こないだ戦って負けたばかりで、お金も無いし兵を出せる余裕もない。
2つ目は、あれだけ練られた案だから、勝つための準備もしたはず。
だが、士郎兄上はさっき言われて、十分な準備が出来てないので時間が必要だ。
それに、大会をするにあたって、商人達を説得する時間がいる。
つまり、みんなが準備している間、鉄だけ暇だからだ。
最後に、そもそも鉄の領地の問題で、何も対策を行わなかったから、ここまで事が大きくした責任がある。
それに、後継者となるのなら、これくらいの事も解決出来ないとダメだろ?」
不敵な笑みを浮かべる竜
「何この人。ヤバ(°д°)!! どうしよう真田っち」
「わかりました。私の力で山賊を退治します。」
鋭い目で竜を見る幸村
「えええええ(°д°)!!何を言ってるのーーーー」
「鉄よ。無理をするでない」
「カカカカ。良いではありませんか。本人がやりたいと言ってるのですから」
「そうですそうです。やらせましょう」
今まで苦い顔をしていたララと士郎が、ここぞとばかりに言った。
「さすがわ。鉄。次期後継者を狙うだけはある。
ダラダラやっても仕方ないので、期間は1ヶ月後に大会を開く方向でいいですか?」
「わかりました。」
即答で答える幸村。
「父上、士郎兄上と鉄は忙しいので、大会の準備は私がやってもよろしいですか?」
「フム。仕方ない。竜に任せよう」
「ハ」
ニヤリと笑う竜だった。
「では解散」
竜は鉄を見て、不敵な笑みを浮かべて去った。
「まぁ。せいぜいがんばれよ。カカカカ」
士郎は、ポンと肩を叩いて大笑いしながら去った。
「ねぇ。引き受けて大丈夫なの?何か策はあるの?」
「策は・・・・ない」
「ええええええ(°д°)!!どうして受けたのよ」
「あそこで断れば、後継者争いに参加する事が出来なくなるからだ」
「そうだけど。無謀じゃない?」
「やる前から無理と決め付けては、何も始まらない。前進あるのみだ」
「はぁ~。大丈夫かな~」
「どうにかなるさ。ハハハハ。まずは拙者の領地に行って、山賊の情報を集めるぞ!!」
陽気に笑う幸村。心配で一杯のナオだった。
張郃がじっと幸村見つめていた。
○ララの部屋
「母上、あの鉄の顔を見た?」
「ええ。困ってた顔が最高だったわ。ホホホホ」
ララと士郎は一緒に笑った。
「さすがに、あの提案はビックリしたが、これで、あいつも終わりだな。
『出来ませんでした』と言って、帰ってくるのが目に浮かぶ。カカカカ」
大笑いする士郎
「後継者は士郎で決定だけど、大会で良い成績を取らないと、
韓馥家の恥になるけど大丈夫?」
「その事で母上に相談したいんだ。実は、俺には頼りになる部下がいない。
誰かいないか?」
「そうね。張郃とかはどう?この国で1番強い武将よ。」
「やつとは相性が良くないし、どこの派閥にも入らないで、中立を保っているから難しいな」
「荀諶軍師は?」
「奴は、腹の底が読めんから信用出来ん。」
「後は、潘鳳くらい?」
「潘鳳なら申し分ない。武力が高いし俺と話が合うが、竜の友達だらから難しいだろう」
「大丈夫よ。」
「え!! でも、竜の友達だぞ!!」
「ええ。母に任せておけば、竜から奪ってあげるわ」
「ありがとう!!母上!! では、よろしく」
士郎は上機嫌で、ララの部屋を出て行った。
ララは笑顔で見送った。
そして、険しい表情に変わった。
・・・ ・・
(イライラする。どうしてあの女と息子は、いつも邪魔ばかりするの。
腹が立つ。死んでいればこんな、ややこしい事は起こらなかったのに。
それしても、風船の実が入ったおもちをどうやって、取り除いたのか?
・・
魔法が使えない鉄、一人では無理のはずだが・・・・)
片膝を立てて、爪を噛みながら考えていた。
○鉄の領地にある食堂
「チャーハンと麻婆豆腐を1つ」
「はいよ」
おばちゃん店員が答えた。
「ちょっと待ったー。私のは?」
「え!!いるのか?」
「当たり前よ。全く食べてないんだから。」
「何がいいんだ?」
「えーっとね。うーんとね」
しばらく、メニューを見て考えるナオ
「・・・・遅い!!!同じ物でいいな」
「えーー(°д°)!!もっとじっくり考えさせてよ」
「すいません。さっきの。もう1つづつ追加で」
「はいよ」
おばちゃん店員が答えた。
「もうーー!!せっかちなんだから。」
「お主が遅いからだ。」
「何か偉そうね。」
「何だよ急に」
・・・
「私があなたを救ってあげたのに、何その態度は!!」
「その事は感謝していると何回も言っただろ」
「足りない足りない。」
「解った。何かの形で恩返しするよ。」
「そぉ?」
主導権を握ってご満悦のナオ( ̄▽ ̄)ニヤリ
「じゃ~。ゴマ団子食べたいな~」
「わかった。すいません。ゴマ団子1つ追加で」
「はいよ」
「なんか良いように、使われている気がする」
「( ̄▽ ̄)フフフ。気にしない気にしない。」
不敵な笑みを浮かべるナオ
「それにしても、あの時は大変だったんだから」
「そうなのか?」
「そうよ。だってあの時は・・・」
○幸村がおもちを食べて苦しんでいる(回想シーン)
幸村がおもちを食べて喉に詰まった状態で、倒れてしまった。
「真田っち。大丈夫。しっかりして。どうしよう。どうしよう。
おもちの対処法。確かニュースで放送されてたはず。思い出せ。思い出せ
そうだ!!ハイムリック法だ!!」
ハイムリック法とは、窒息した人を救う応急処置の方法。
患者の背後に回って、両手を腹部に当てて突き上げるように押すと呼吸が改善される。
だたし、妊婦や赤ちゃんには危険なので、背中を叩いて対応しましょう。
「でも、真田っちが倒れている状態だから、起き上がらせれない。
う~~~ん。他に何かあったはず。
何か物を使って取り除けたはず。何だったかな。何だったかな。わかんない!!」
慌てて、頭がパニックなるナオ。
「ううううう」
苦しそうにうめく幸村
「落ち着け。落ち着け。こういう時こそ冷静になるのナオ。
ふぅ~~~~ふぅ~~~~」
目を閉じて深呼吸するナオ
「取り除く道具。道具。道具。
食事を食べている時に詰まらせた時に、直ぐに出せる道具。
家の中にある物。レンジ。冷蔵庫。あ!!!
掃除機だ。掃除機ならおもちを吸い出せるはず。掃除機。掃除機」
辺りを見渡すナオ
「そうだった~~~~~!!ここは三国士の世界だった。( ̄д ̄)ガ~~~ン
あ!!でも私には魔法が使えるんだった!!
バカね~何で早く気づかなかったのかしら。」
「イメージ」
ナオの前に黒板が出現した。
「早く、私がイメージした掃除機を作って」
【解りました。イメージして下さい】
黒板に文字で書かれていた。
ナオは、掃除機のイメージをした。
【これで良いですか?】
ナオがイメージしたサイクロン式掃除機が、空中に浮いて立体的に表示された。
「うん。早く早く」
【3万5千円になります】
「はい?高すぎよ。だいたい相場として1万5千円~2万円くらいでしょ」
【ダメです。値切りお断り。】
「もう!!この黒板壊すわよ」
【暴力反対!!暴力反対!!暴力反対!!暴力反対!!】
「何!!私にケンカを売っているの?」
【時間無い。急げ急げ急げ】
「く~~~。何か凄く悔しいけど、仕方ない人の命がかかっているんだから。
後で、真田っちに請求しよう!!
解ったから早く作って!!」
【まいどーー(^^)/】
サイクロン式掃除機が出現した。
【レベルUPしました。レベルUPしました】
黒板からレベルUPした音が鳴った。
黒板に何か表示された。
「あ~もう~じっくり見たいけど、後で。
よし。電源を入れて吸引をしよう」
ロボットアームを使って、器用に電源を入れた。
「あれ?動かない」
もう1度電源を入れたが全く動かなかった。
「なんでだ?電源を入れたら動くはずなのに。電源?
あ~(°д°)!!コンセントがないから使えないじゃん。どうしよう」
考え込むナオ
ふと、黒板に書いてある文字を見た。
【改良を覚えました】
「改良?」
【作った物を改良出来ます。もちろん、お金はかかります(^^)/】
黒板にステータスが表示された。
LV :3
お金 :99,975,000円
魔法 :風の玉/LV1
風の魔法を使える
(数:1/10)
装備スキル:魔法コピー/LV1
倒した敵から、魔法をコピー出来る
ただし、レベルが上の魔法はコピー出来ない。
開発道具 :ロボットアーム
遠い所の物を取る道具
魔法追加なし
:サイクロン式掃除機
お部屋のゴミを吸い取る道具
紙パックを買う必要がなく、排気される空気が綺麗と評判!!
魔法追加なし
道具数 :2/3
「改良、改良、掃除機を改良。そうだ!!」
ステータス画面を見つめて思いついたナオ。
「サイクロン式掃除機を改良したいの」
【どのように改良されますか?】
「まず、風の玉で、吸い込むように改造出来る?」
【出来ます!!お金かかりますけど(^^)!!】
「わかってるわよ。しつこいな~」
ちょっと不機嫌になるナオ。
【風の玉のLVはいくつにしますか? 最大LV5まで】
「とりあえず。最大で。あと、風の調節出来るようにして、
1を押したらLV1、2を押したらLV2みたいに」
【了解しました。掃除機の容量はどうしますか? 最大LV5まで】
「容量?あ~~もう。面倒だから最大で」
【了解しました。何か他に改良しますか?】
「うーんと。デザインをゾウさんにして欲しいの。
掃除機って機能性は良いんだけど、デザイン的に物足りないのよね。
まぁ。こんな感じで」
ナオは頭でイメージした。
【このようなデザインで良かったでしょうか?】
可愛らしいゾウさんの形をした掃除機が、空中に浮いて立体的に表示された。
「うん。OK!!あとね・・・・・・・は∑(°д°)しまった。
凝り性だから、ついやってしまった(*^_^*)テヘ」
【他にありますか?】
「無いから早く作って」
【了解です。料金が22,402,000円になります。】
「は?」
ナオは、余りの大金に驚いて、一瞬フリーズしてしまった。
「何でこんなに高いのよ!!!」
【高いのは、風の玉LV5で1000万円、容量LV5で1111.1万円になります】
「キャンセル。キャンセル。作り直しよ」
「ううう・・・・・」
幸村のうめき声が聞こえなくなった。
「!!!!!!マズイ。死んじゃう」
動揺するナオ。
【一から作り直しますか?】
「作り直さなくて良い。いくらかかってもいいから早く作って」
【了解しました。まいどありがとうございます(^^)/】
可愛らしいゾウの形をした掃除機が出現した。
「よし。動かそう」
ナオはロボットアームで、電源ボタンを押した。
すると、ゾウの鼻に風が吸い込み出した。
「動いた(^○^)!!」
喜ぶナオだったが、ゾウの掃除機と幸村の距離が遠いので、上手くいかなかった。
「じゃ。これでどうだ」
風量2のボタンを押した。
すると、さっきとは段違いの吸引力で吸い込み始めた。
その吸引力はテーブルにあった食べ物が、どんどんゾウの鼻に吸い込まれていった。
幸村の体も徐々に動き出した。
「も、もう少し」
ナオはもっと風を強くしようと思って、ロボットアームを伸ばしたが、風が強くて思うように行かなかった。
「きゃーー」
思わず持っていたロボットアームを手放してしまった。
だが、ドミノ倒しのように次々と物に当たり、最後はネコの置物が、風量3のボタンに当たった。
すると、幸村の体が浮いてゾウの鼻に吸い込まれたが、頭にひかかっていた。
だが、ピクリとも動かない幸村
「ウソでしょ。真田っち。死んでないわよね。」
心配そうな声で言うナオ。
「そうよ。こんな所で、こんな死に方をするはずわない。
だって、あなたは、日本一の兵と言われた男よ。
なんとか言いなさいよ。なんとか・・」
目に涙を浮かべた。
「私はあなたと出会えて、どれほど、どれほど心強かったか解る・・・・
私を、私を一人にしないで、お願いよ・・お願い・・・願・・・い。
また一人ぼっちになってしまう。前の世界でも今の世界でも・・・
生きるのが辛い。
私の意見を無視する職場、ただ太ってブスをバカにする人。
私の趣味を変な目で見る人。心から友達と言う人はいなかった。
昔から私は一人ぼっち。
誰も私を理解してくれない。誰も私に心を開いてくれない。
でも、真田っちは違った。私を対等に見てくれた。
だから死なないで・・・私を一人にしないで・・・・」
涙ぐみながら、今まで誰にも言えなかった心の叫びだった。
「口を開けろーーーーー!!
このバカーーーーーーーーーーー!!」
泣きながら大きな声で叫んだ。
幸村は、かっと目を見開いた。
「誰がバカだとーーーーーおおおおおおおおおお!!」
口を開いた瞬間、ゾウの鼻が幸村の中に入った。
驚いて苦しむ幸村
すると、すぽんと言う音とともに、もちが口から出てゾウの鼻に吸い込まれた。
「やったーー(^○^)!!これで大丈夫だ」
喜ぶナオだったが、今度はゾウに吸い込まれそうになる幸村だった。
「うぁあああおおおああ」
凄い風でタプタプ肉が揺れて、苦しそうな幸村。
「早く電源を切って、赤いボタンよ。赤いボタンを押して」
風に逆らいながら、腕を伸ばして赤いボタンを押した。
「ゲホゲホゲホ」
大きく咳き込む
「よかったーーー!!」
「死ぬ所だったぞ。殺す気か?」
「はぁ?何!!私に言っているの」
凄い殺気を放つナオ
「お主以外に誰がおる」
「一回死んでろバカーーーーーーー!!」
○鉄の領地にある食堂
「ホント思い出しただけで、失礼しちゃうわ。助けてあげたのに」
「だから、何度も謝っただろ。全く」
「フーンだ」
すねるナオ。
「お待ちどう様です。」
注文した料理がテーブルに並んだ。
「お!!上手い」
さっそく、チャーハンを食べる幸村。
「私も食べたいーーーー!!!」
「周りにバレナイようにしろうよ」
「ラジャ(^^)/」
ナオは、周囲をキョロキョロ確認し、ロボットアームを取り出した。
そして、器用に木のスプーンでチャーハンを食べ出した。
「うまーーーーー( ̄○ ̄)/やっぱり本場の中国料理は最高!!!」
そう言って、バクバク大食い選手権の人みたいに、麻婆豆腐も食べた。
「はや!!」
あっと言う間に全部食べてしまった。
「だって、お腹空いてたんだも~ん( ̄▽ ̄)ニコリ
後はデザートのゴマ団子(^^)/、ゴマ団子(^^)/」
店員のおばさんがやって来たので、焦りながら急いでロボットアームをしまうナオ
「お客さん、食べるの速いね」
「ええ。まぁ」
苦笑いの幸村。
「最近、どうですか商売の方は?」
「昔はね~。私の所も周りの店もそれなりにやって来たんだけど。
山賊の連中が増えて来てから。商売上がったりさ」
「そうですか。」
「特にダメなのは役人。山賊の家来みたいでヘコヘコして、
私達からガッツリ税を徴収して、私服を肥やしてるのさ。
全く、役人を取り締まるはずのバカ息子の鉄に、本当ムカつくよ」
「そ、そうですか」
下を向く幸村
「何か私達が怒られるてるみたい。」
「拙者がやった事ではないが、心苦しい。」
「うちの自慢料理のゴマ団子はどうだい?」
「まだ食べてないので、解りませんが今から食べますね」
「あーーーー!!。私のー。私のゴマ団子。」
ナオの声が聞こえてない様に、自然とゴマ団子を食べた。
「うん。美味しいですね。からっと揚げて、中身は凄く甘くて美味しいです」
「そうでしょ。そうでしょ」
ウンウン頷く店員のおばさん。
「ムキーーーーー(`△′)!!」
おばさんが、くるりと向いた瞬間、ロボットアームでベシベシと幸村の頭を叩いた。
「痛ーーーー!!」
頭を抑える幸村。
「どうしたんだい?」
くりるりと向いて尋ねるおばさん。
すぐに、ロボットアームをしまうナオ
「い、いえ何でもないです。ハハハハ」
「そうかい」
首を傾げるおばさん。
また、くるりと背を向けると、怒りのロボットアームが攻撃した。
「イタタタ。いいかげんにしろ」
つい大声を出してしまった幸村。
店員のおばさんは振り向いて、首をかしげたが、
しばらくして、厨房に消えて行った。
「痛いだろ」
「私のゴマ団子食べた。」
「だって、仕方ないだろ。食べないといけない状況だったろ」
「食べ物の恨みは深いぞーーーー!!」
「わかったよ。注文してやる」
「もういい」
ふて腐れるナオ
「なんだよ。全く。
話は変わるが。張郃の話、覚えているか」
「何よ。急に。覚えているわよ」
○会議の部屋(回想シーン)
会議の部屋で皆が退出した後、幸村の元に張郃がやって来た。
「何か策があるのかい?」
「策は無いが今から考える所だ。」
「そうか。直接手助けをすると、君のためにならないから、ボクの知っている情報をあげよう。」
「ボクの密偵が調べた所によると、山賊の数は5000を超える勢いだそうだ。」
「5000!!」
「そう。情けない話、前回の時は500くらいの戦力だったが、ボクが負けてしまったせいで、
知名度が上がり、一気に増えてしまったんだ。」
「10倍よ10倍!!もっと条件が厳しくなったじゃない」
驚くナオ
「ただ、1枚岩じゃないような気がするんだ。
ボクの感だけどね。あの趙雲という武将は仲間と上手く行ってないような気がするんだ。
そこを突けば、突破口が開けるかもしれない。」
「近くの国で援軍を頼めそうな所はないですか?」
「うーんないね。ただ。視野を大きく広げれば、味方を見つけれるかもしれないよ」
「解りました。ありがとうございます。」
頭を下げる幸村
「あ、頭を下げるなんて。家臣にしたらだめだよ」
「関係ありません。上の者でも感謝する時は、きちんと感謝の言葉を言うのが礼儀」
「どうしたんだい?急に人が変わったみたいだ。」
「今の拙者は嫌いですか?」
「いや。好感が持てるよ。でも、ボクは後継者争いに巻き込まれたくないからね。中立でいるよ」
「解りました。これからも、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。」
頭を下げる幸村。
「わ、わかったよ」
ちょっと照れくさそうに、頭をかく張郃。
「そうだ。記憶を無くしたんだったら、これは知らないよね」
懐から、薄いピンクのカエルが出てきた。
「ゲゲゲゲ∑(°д°)!! 何この気持ちの悪い物は」
顔をしかめるナオ。
「それは何ですか?」
「やっぱり知らないんだね。これは、行った事がある町に一瞬で移動出来る魔法の道具だよ」
「本当!!!!」
「す、凄いですね」
目を丸くして驚く幸村達
「そんなに驚かなくても、常識だよ」
「そうですか。使い方はどうするんですか?」
「このカエルを持って『町の名前 カエル』と言えば移動出来るよ」
「では拙者の領地はどこですか?」
「海に面している土地で勃海と言うんだ。じゃーやってみるかい」
「はい。」
透明なカエルが幸村の手の上に跳んできた。
「色々とありがとうございました。」
「まぁ。無理するな。」
「はい。勃海カエル」
そうゆうと、ピンク色のカエルがゲロゲロ言い出して、大きくなった。
「わあああああああああ」
「きゃああああああああ」
驚く二人
幸村を食べてしまった。
「ゲフ」
ゲップをしたカエルは、消えてしまった。
○鉄の領地にある食堂
「ホントあのカエルはビックリしたわー。死ぬかと思った!!」
「確かにビックリしたけど、張郃の話だよ」
「覚えてるって、敵が多いって事でしょ」
「それもあるけど、視野を広げれば味方が、見つかるかもしれんと言っただろ」
「うーん。良く解らないけど、何かのヒントなんだろうね」
「拙者もそう思う。」
「もう少し、情報を集めれば解るかもしれないわ」
「そうだな。お勘定を」
「はーい」
店員のおばさんがやってきた。
「全部で、670円になります」
「670円か。結構食べたのに以外と安いな」
幸村は懐に手を入れた。
「あれ?」
「どうしたの?」
「財布が無い」
「えええ!!」
「そうだ。この体になったから持ってないんだ」
「どうするのよ」
「お客さん。まさかお金が無いわけないだろうね」
凄い目で見る店員のおばさん
「ハッハハ。すまん。無い」
「じゃ。役所に連れて行くよ」
「!!!それは困る」
「当然でしょ。食い逃げをしたんだから。」
「何か方法はないか?」
焦る幸村
「うーん。その刀を売れば良いんじゃない。」
「ダメだ。刀は武士の命。売るわけには行かん」
「じゃ。どうするのよ」
「かくなる、うえわ」
キョロキョロト当たりを見る幸村
「もしかして、逃げるつもりじゃないわね」
「ギク」
図星を言われてビックリする
「ダメに決まっているでしょ。そんな事をして役所の人に捕まったら、
正体がばれて、領民の信頼を失うでしょ」
「だけど・・・」
「本当にないようだね。役所へ行くよ」
「どうしよ」
「う~ん。こういうのはどう?」
小声でぼそぼそと幸村に言った。
「何一人で頷いてるの。行くわよ」
変な目で見る店員のおばさん。
「ちょっと待った。しばらくお待ちを」
手で制して、ウンウン頷く幸村
そして、ニコニコと笑い出した。
「気味が悪い客だね」
「おばさん。拙者はお金を持っていません。」
「やっぱりね」
「ですが、この店を繁盛させる案があります。
それで、チャラにしてもらえないですか?」
「ハハッハ。そんな上手い話があるもんかい」
「それがあるんですよ。聞きたくないですか?」
幸村の話を信じていない、おばさんだったが、
自信たっぷりの幸村を見て興味を持った。
「だったら、聞かせておくれよ」
「それはですね」
ニコリと笑って話し出す幸村だった。
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