第101話 箱の中の猫(科の魔物)
気がついたら100話を超えてました。
読んでくださる皆さまに感謝です。
今後とも宜しくお願いします。
いくつかの固有魔法を組み合わせて完成した。
それはロケットの型をした紙。
作り方は簡単。
只の羊皮紙に固有付与魔法を使い思い違いの魔法を書き込む。
物質はリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、銅、ホウ素、リン。
形状は固体で粉末状。(固体で細かい指定がないとインゴットが出るので指定した。)
このままだとこれらの物質の粉が出てくるだけ。
じゃぁどうするか?
それはもう一度固有付与魔法を使い別の魔法を書き込む
今回は火炎を使い、燃やす対象と消えるタイミングを設定。
火炎を書き終えた瞬間、巻物はロケットの型になっていた。
僕は固有魔法の空気を使い周囲の風向きを変えて魔物たちの方に風が吹くようにした。
「マナミさん、何をするんですか?」
リリアンさんが話しかけてきた。
まぁ見てて下さい。
「たまや〜!」
僕がそう声を出すとロケット型の紙は風に乗り魔物目掛けて飛んでいった。
ロケット型の物は魔物に着弾すると同時に火で出来た花びらを散らしていた。
そう、花火である。かぎや〜。
「本格的に隠居しようかね・・・。これだけ色取り取りの炎の花びらを出されちゃ【緑炎】も形無しだよ。」
マドリーさん、落ち込まないでください。
僕のはスキルを併用した反則技ですから。
「マナミの嬢ちゃん・・・本当にやめてくれ。兵器とかに転用できそうで胃が痛い。」
義兄はお腹を抑えていた。
「マナミさん、まだ魔物の群れは生きてますよ!」
わかってますよ、コルトさん。
わざとそうしたのですから。
今度は思い違いの魔法を使ってクロムとニッケルの合金、つまりステンレスを大型の魔物が入る箱の形にして出した。
「金属の箱だよな?何をする気だ?似非エルフ。」
虫の息の魔物を丁寧に箱に閉じ込めていきその作業を終えた時、全ての箱を対象に固有付与魔法をかける。思い違いの魔法を付与する。付与する物質は液体窒素。これで新鮮な食材として保存ができる。
「いや・・・いくら冒険者家業で食料に困るとはいえ、そこまではやらんよ・・・。群れの暴走でも半数は打ち漏らすのが普通じゃし・・・。」
ジジィさんは呆れていた。
「マナミの嬢ちゃんに常識を求めたらダメだ。ジジィ師匠、諦めてください。」
酷い言われようである。
「マナミさん、その箱をどうするんですか?中身が生きていると収納できませんよね?」
わかってますよリリアンさん。
うん、生き物は収納できないですよね。
一応コマンドを使ったら全部収納できたけれどね・・・。
どうやら箱の中で生死不明な場合は一応収納してくれるようだ。




