第100話 ほのぼのしている場合じゃない
「お前、似非エルフだよな?」
アリシアは僕が誰なのかわかった様だ。
「盗賊の直感。」
ひどい直感だ・・・。
「コサック!何でもっと早く言わないんだい!」
「コルトです。ジジィ様が言おうとしてましたからね。それとドットは何でステータスを確認しないんですか?」
「マナー的にどうかな?って所と興味ないから。コットンの兄貴こそ職業病じゃないか?」
兄貴分の名前を間違えてるよこの人・・・。
「ちょっとごめんなさい。あーこの固有魔法の数は確かに本物のマナミさんですね。」
リリアンさんも見れるんでしたね。
もっと臨機応変に対処して下さい。
兵士の1人が気まずそうに
「あの・・・もうすぐここに猫の魔物が押し寄せてくるんですが・・・」
そういえばそうだった。
遠目に魔物の影が見えてきている。
姿がはっきりわかる距離まで魔物の群れがやってきた。
たしかに猫の魔物だけど・・・
見渡す限り虎とライオンの魔物だった。
「マナミのボウズ、魔法は?」
誰がボウズだ?
そういえば人の姿に戻ってから魔法が使えない。
「それじゃスキルの方はどうだい?」
ステータスコマンドと文字化けは機能しているようだ。(この世界の人たちと会話が成立してる&ステータスが見れる。)
見た感じ殆どがロックされているが2つほどロックされてない固有スキルがある。
それは魂と軀。
試しにSoulを使ってみた。
しかし何も起こらなかった。
次にBODYを使ってみた。
-使いたいカラダを選んで下さい-
人
エルフ
エルフでお願いします。
エルフを選ぶと僕の体が光り出した。
光が収束するといつものエルフの姿になっていた。
-能力の制限が外れました-
「本当にマナミだったとはね。」
マドリーさん信じてなかったな・・・。
「マナミのボウ・・・嬢ちゃん、ハニーのところへ行ってくれ。」
よし殴るか。イラっとした。ボウズといいかけた事にイラッとした。
瞬間移動を使い背後をとり一度人の姿に戻り義兄の頭を殴った。
「痛!誰だ!ボウ・・・嬢ちゃんか。悪かった。」
「今度ボウズって呼んだらこんなもんじゃ済まないですからね?」
と笑顔で告げた。
「あ、あぁ・・・」
さてとほのぼのしてる場合じゃないな。
エルフの姿に戻り固有魔法を発動する。
さぁて派手にやりますか。(ボウズと言われたストレス解消を)
屋根の上で獣人らしき人物と交戦中。
まだ誰も救援が来ない。
・・・いや、来れないのか。
さっきからお婆ちゃん達がいる方から魔物の群れを感知している。
魔物を止めに行きたいけれど義妹を狙っているので逃すわけにはいかない。
あれ?この魔力は・・・
「我が主人の反応が戻ったな。・・・また消えたな。」
そしてもう一度反応が現れた。
「にゃ!?凄い魔力!?お前、まさか固有魔導書ではないな?」
敵対者に私がマナミさんではない事を気づかれてしまった。




