第99話 一方その頃2
ダーリンの近くにいるのは義妹だろう。
とりあえず無事なら私が慌てることはない。
そう安心しきった所でアルフィアが思いっきり叫んだ。
「この場から離れろ!今すぐにだ。」
私はその警告を聞き近くの家の屋根に退避した。
数分後その場所には猫系統の魔物で溢れかえっていた。
街中のはずなのに何故こんなに・・・。
「意図的に召喚されたのだろう。」
でもこんな数・・・1000や2000近いですよ?
一流でも4、5匹がせいぜいだというのに・・・。
「身近にそんな感じのがいるではないか?」
「へぇ〜喋る魔道具かにゃ?よくも邪魔してくれたにゃ。」
声のした方を見るとあからさまに魔道士ですと言っているローブの人物が居た。
この魔道具の声、アルフィアの声が聞こえたということは・・・
「召喚魔法は空間魔法に当たる。此奴があの猫の軍勢の主だろうな。」
「魔道具君にゃ、正解。君が、固有魔導書かにゃ?悪いけどココで消えてもらうにゃ。」
狙いはマナミさんか!
一方その頃
「なあ、坊主。もう少しましな嘘をついたらどうだ?うちの国はその辺り緩いが他の国だったら不敬罪や皇族の親族を騙っただけで極刑になんだぞ?」
義兄(笑)は僕の話を信じていない。
「あのーその子・・・」
「ストレンジの姐さん、少し黙ってて下さい。俺がキツく注意するんで。」
ストレンジさんは多分だけど・・・僕の話を信じている。
「ケツの青いガキがガキの説教してどうすんだい?あたしがやるよ。」
お婆ちゃんは説教がしたいのかな?
「のう、マドリーや、コボルト君の話を聞いてはどうかね?」
ジジィさん、コルトさんね。
コボルトだと魔物だからね。
コルトさんは魔眼でステータスを見て僕がマナミだと確信を得たようだ。
「アンタは黙ってな!」
マドリーさんにキツく言われてジジィさんが凹んでしまった。
義兄と祖父母が話している隙に
「ストレンジさんとコルトさんも大変ですね。」
と言ったら2人とも苦笑いをしていた。
ふと空を見上げると猫耳の人と腕時計をした耳の長い人物が戦っているのが見えた。
しかしそれは一瞬で消えた。
また、未来予知か・・・。
「エンさん、ラックさんが猫耳の人と交戦します。」
「あぁ、俺も今みえた。その眼は魔眼か?・・・お前も苦労したんだな。」
何故だか同情されてしまった。
「大変です!都の中に猫系統の魔物が大量発生しました。」と1人の兵士が走って来た。
続けてアリシアとリリアンさんが兵士と共にやってきた。
「皆さん、無事ですか?あれ?その少年はどちら様?」




