第97話 少年扱いされる
僕は急いで魔眼でみた場所をイメージしてそこに
瞬間移動をした。しかし、イメージした場所より数メートル手前に出た。
『少し位置がずれてますね?』
あれ?何で移動先がズレたんだろう?
気になるけど後回し!今は急いでエンさんとストレンジさんに合流し・・・
え?
皇都のギルドで見たドラゴンが居るんだけれど・・・何で?
『マスター・ストレンジが元の姿なのは後にして急ぎますよ、マナミさん。』
ラックさんに急かされて僕は走り始めた。
「大丈夫?マドちゃん、ジジィちゃん、それと・・・コルピスちゃん。」
ストレンジさんが話し始めた。
彼女の後ろ側にいるのに物凄くうるさい。
「喋るんじゃないよ!ドラ娘!耳が壊れそうだ。」
マドリーさんの怒鳴っている声が聞こえている。
マドリーさんの声も大きい。
「仕方ないじゃないか。人の姿にもなれないし念話もできないんだから。」
姿は見えていないがエンさんが大声で
「念話が使えない事や姐さんが元の姿に戻ってるのを考えると魔法無効化系統のスキルないし技だな。合ってるか?」
と大声で男に問いかけていた。
エンさんが問いただしても男は否定も肯定もしない。
僕がたどり着くとエンさんとドラゴン、エルフの老夫婦、カルパッチョさんが戦っていた。
「遅くなりました!」
「ボウズ、ここは今危ないから急いで離れろ!」
ん?坊主?貴方の嫁のエルフの美少女と瓜二つなんですけど・・・。今は気にしてもしょうがない。
みんなが対峙している男に接近して拳を一撃お見舞いしてやろう。
男は僕の一撃をいなして「やっときたか。」と言って僕から距離を取り何かを投げてそのまま消えてしまった。
「逃げたか・・・。大丈夫か?ボウズ。」
転生前の人間の姿は男と間違われたりしてだけれど今はエルフの女の子だからボウズはない。
「僕ですよ、マナミです!」
「俺の知っているマナミの嬢ちゃんはエルフだ。少なくともボウズは人だろ?」
はい?
近くにあった水たまりに自分の姿を映したら転生前のこの世界に来る前の本来の姿になっていた。




