第77話 巻物《スクロール》作り3
試しに氷と水蒸気も作ってみた。
氷は味と大きさ、水蒸気は噴射する秒数のみ設定できた。(氷の個数は1個、水蒸気は100℃固定)
ちなみに描かれた魔法陣はというと氷はH2O固体125㎤と記載されH2O気体3秒と記載されていた。
全く実用性はない。
さぁ、色々作成するぞ!と意気込んだ矢先、
「嬢ちゃん、もうこれ以上、固有魔法で巻物は作るな。」
とエンさんに言われた。
この発言にみんな頷いていた。
何で・・・?
「全部が壊れないってのが問題だが、それ以外にも水の巻物は他に効果があって器に巻きつけて魔力を流すと器にコップ1杯の水が入るらしい。こっちには制限がかかってない。」
え!?そんなわけないでしょ!?
そう思って本当かどうか確認する為に一度収納して巻物の効果を見てみた。
H2Oの巻物
・使うとコップ1杯の水(10℃)が出てくる。(1日1回)
・器に巻きつけて魔力を流すと器の中にコップ1杯の水(10℃)が出てくる。
・この巻物は使っても壊れない。
補足:水の成分は巻物に記載されている。
うわぁ・・・本当に巻きつけて魔力を流すと水が発生するっぽい。
「残りの2つも見てみろ・・・。」
と氷と水蒸気の物を鑑定し終えたエンさんが呆れ気味に言ってきた。
残り2つの巻物も収納して内容を確認してみた。
固体H2Oの巻物
・使うと5㎝四方の氷が1個でてくる。(1日1回)
・器に巻きつけると30秒に一度一個氷を作る。(器以上は作られない。)
・この巻物は使っても壊れない。
・・・製氷機ができた。
気体H2Oの巻物(自作)
・使うと水蒸気が3秒噴射する。(1日1回)
・貼り付けると30秒に一度水蒸気を噴射する。
・この巻物は使っても壊れない。
・・・鍋に貼り付けて蒸し料理とか個室に貼り付けてサウナができそう。
じゃないや・・・これが攻撃魔法だったらと思うと怖くなった。
正直なところ僕の収納で死蔵するのが正解だと思った。
貼り付ければ半永久的に使える。
水も無限湧きだと洪水だって起こせないことはない。
そう思ったからである。
「マナミ様、巻物は本来使い捨てでございます。壊れない物を作れるとなればマナミ様を巡り大惨事が起こるかもしれません。」
さらっとバトさんが恐ろしい事を言っている。
うん、そうだよね。よからぬ事を考える輩もいるよね。
「この事は秘匿する事。バト、アンナ、フジ、クレル。皇帝命令で。」
執事、侍女、侍、女騎士は皆頭を下げ
「「「「承知いたしました。」」」」
と声を揃えて言った。
マナミ「瞬間移動系統だとどうなるんだろうか?」
マナミ以外「え!?」
皇帝「絶対にやるなよ!」




