第72話 ドレスの修復
「どういう事か説明して下さい。」
「ラックさんの意識が戻る前なんですけど・・・」
大蛇解体ショーをした侍女が来た際に、
「マナミ様、ドレスは廃棄しますので着替え終わったら取りに来ます。」と言われた。
こんな綺麗なドレスを捨ててしまうのか・・・勿体ない。
「捨ててしまうのなら貰っても良いですか?」
当然、侍女は困惑しながら「陛下に伺います。」といって去っていった。
数分後、先程の侍女が戻ってきて
「欲しいならマナミ様に差し上げます。との事です。」
と言うやりとりがあった。
「それで穴が空いて血が付いたドレスを貰ったんですね?でも、見たところ血の跡や穴が空いてる所はないみたいですけど、何をしたんですか?」
「新しく固有魔法を創って・・・。」
血液のシミは時間との勝負なんだけど・・・ドレスに付着した血液は大分固まってしまっている。
そこで新たにいくつかの固有魔法を創ることにした。
ムゲンノマドウソウセイ発動!
固有付与魔法ヲソウセイシマシタ。
思い違いの魔法ヲソウセイシマシタ。
再生ヲソウセイシマシタ。
固有付与魔法
・自身が使える固有魔法を道具に付与できる。
ただし、道具により付与できる魔法と内容は異なる。
思い違いの魔法
・並行世界の魔法を行使する。行使するためには式を書く必要がある。
再生
・再生する。
あれ?付与は希望通り創れたけど後の2つがおかしな事に・・・。
思い違いの魔法って何?〈水〉だと味以外を操作できないので洗剤が作りたくて思い浮かべたのだけど・・・。
化学式なんか知るはずもない。僕が通ってたのは理系じゃないんだよ!リケジョじゃないんだよ!
でも、一応やってみますか。
固有魔法:思い違いの魔法!
式を入力して下さい。
化学物質の名前が書かれた一覧が出てきた。
どうやら僕が詳しく知らなくてもどんな用途に使われるのかとか化学式が記載されて居るようだ。
アルキルベンゼンスルフォン酸(RC6H4SO3H)
主な用途、中性洗剤。
あった。RC6H4SO3Hと書いてコップのぬるま湯の中に入れた。(ぬるま湯は予め固有魔法の水で作り出した)
あとは、魔力で歯ブラシ状のものを作ってシミをとり濯いだ。
洗濯機がないからあとは手洗いになったけど・・・。
その後、固有付与魔法を使い、ドレスに(説明文が雑な)再生を付与してみた。
するとドレスに開いた穴が綺麗に塞がった。
よし上手くいった。
この話を聞いたラックさんはため息を吐いていた。
どうやら呆れているようだった。
ダメだったのかな?
「固有魔法の内容なんですけど、血や時間の操作を創ればよかったんじゃないですか?」
あ・・・。そう言われるとそうだな・・・。
そっちに呆れてたのか。
「でも、ありがとう。あの人からの贈り物を捨てずに済みましたから。」
コン、コン。ドアをノックする音がする。
「奥様、マナミ様、旦那様がお呼びです。」
バトさんがやってきた。




