第68話 異変3
前略
お父さん、お母さん。冒険者に憧れてマナミさん達に着いて行くと決めて監査と称して旅に出て陛下の城に来て魔物に囲まれていますが私は元気です。
・・・どうしてこうなったのだろうか?
30分前
中々戻ってこない、ブラックさんの様子を見に行ったら廊下が変になっているので引き返してマナミさんと盗賊さんと合流することにした。
しかし2人がいる部屋の扉を開くと全く別の部屋だった。
その部屋の中には大きな鏡があった。
「この鏡、魔道具か。」
誰かの声がする。鏡の中からだ。
「へぇ〜面白い鏡だな。アンタと会話ができるとはね。」
そこに写っていたのは粗暴な感じの私だった。
「アンタは気がついているんだろ?」
時々記憶が無くなっている時がある。
それは戦いの時の記憶。気がついたら魔物の死骸が目の前にあったり怪我をしている人がいる。
「あなたが微笑みの狂戦士ですね?」
私は鏡の中の存在に問いかける。
「そうであって違うな。ここにいるのはアンタ自身だ。」
こんな粗暴な感じなのは自分と認めたくない。
その人は昔、私の父や数々の冒険者を傷つけてた。
「いいえ、違います!私は人が傷つくのが嫌なんです。」
「どうだろうな?セクハラを働く男共は・・・なんて心の奥底では思うだろう?」
これには否定できない。
ギルドマスターである父親の事を知りたくて初めてギルドに行った時に変な事をしようとした男達の事を思い出した。
「アレをやったのはアンタ自身だ。」
そんな・・・。
「こちとら自分がやった事を認めたくなくて生まれたもんでね。」
そんなはずは・・・。
「まぁ、信じなくてもいいや。それよりも場内の異変には気がついているな。」
廊下が変になった時のことを思い返してみた。
1つだけ心当たりがある。
「ダンジョン化ですね。しかも厄介な迷宮型の。何処かにあるダンジョンコアを破壊しないといけませんね。」
「正解。と言うことは当然、魔物も出てくる。強い魔物が出てきた時、アンタはどう戦うんだ?暫くは力を貸せないぞ?」
「あなたには二度と頼りたくないです。」
そう言って部屋を出ると直ぐにAランクの魔物に囲まれてしまった。
もうダメかと思ったら魔物達が倒れている。
「そのまま伏せてろ!」
「大丈夫ですか?リリアンさん。」
マナミさんと盗賊さんが走ってきた。
助かった・・・。




