第67話 異変2
「ちょっと様子を見てくる。」
それ危ないフラグのような気がする。
「僕も一緒に行きます。」
何となく一緒に行った方がいい気がする。
僕とアリシアが廊下へ出て通ってきた道を歩き入口へと戻ろうとするとおかしな事が起きている事に気がついた。
この廊下ってこんなに長かったっけ?
さっきいた部屋から歩いて10分位で入口に着くはずなんだけど・・・
「この廊下こんなに長かったか?」
どうやらアリシアも気がついたみたいだ。
「魔法の類ではなさそうなんだけどな・・・」
それは何となくだけどわかる。
ストレンジさんとの戦闘で使われていた空間の魔法はその中にいると乗り物に乗っているような感覚に似たような感じになったけど今はそれがない。
「城の見取り図が有れば何とかなるんだげだな・・・」
地図?そう言えば持ち物の中に魔法の地図があったな。
久しぶりに地図を出してみる。
地図には城の見取り図とダンジョン:城1Fと書かれていた。
え?ダンジョン?
「何してるんだ?妹エルフ?」
そう言って地図を覗き込んだ。
「ダンジョン!?急いでコアを探すぞ!」
アリシアがだいぶ慌ている。
1時間前
「奥様お似合いで。」
私は着替える為にパーティーのみんなとは別の部屋に連れてかられた。
「おかしいですね?」
私の着替えを手伝っていた女中さんの1人が首を傾げていた。
「扉が開かなくなってしまいまして・・・」
それはおかしな話だ。
この扉は内鍵なのだから鍵はかかっていない。
じゃあどうしてなのだろうかと考えていると
「キャアアアアアアア!」という悲鳴が聞こえた。
悲鳴が聞こえた方を見ると大蛇がいた。
アレはAランクの魔物、ウィングスネーク!一体どこから?
今は、考えている場合じゃない。
女中さん達を助けないと。
「我が声に応えたまえ!固有魔法:火炎」
固有魔法を使い大蛇のみを燃やす炎を作り出す。
何故、通常の火属性の魔法ではなく固有魔法なのか?
この部屋はそこそこ広いけど、家具に火が燃え移って火事になっても困るし、狭いところで火属性魔法を使うとマナミさんが言うには物が燃えると酸素と言うものが減り中毒を起こすとかなんとか。
それを防ぐ為に燃やすエネルギーを魔力にしているんだとか。
ちなみにマナミさんが創り出した固有魔法は我が声に応えたまえで発動する。
「大丈夫てすか?」
「はい。何とか・・・」
扉の近くにいる女中さんは驚いた顔をした。
「奥様!今すぐその子たちから離れてください!」
最初に扉を開けようとした女中さんがそう叫んだ。
え?と思っていると胸の辺りに何かが刺さっていた
「ッチ、あのババア余計なことを。ちょっと外しちゃたじゃないか。分断に成功したけどSクラスの魔物であるウィングスネークを倒すとはね。恐れ入ったよ。」
「これで、あの人は私のものですね♪」
もう1人の女中が嬉しそうにしている。
「奥様!」
女中さんが私に駆け寄ってくる。しかし・・・
「煩いババアだな!」
女中さんは吹き飛ばされてしまった。
ここで私の意識は無くなってしまった。




