第2話エルフならば魔法を
エルフィアの村?
しかし、これは酷いな・・・
何に襲われたのだろう。
村の入り口で考え込んでいると、耳が長い老人がこちらに歩いて来た。多分、エルフかな?
「ラック無事だったのか。結界を張り直す時間を稼ぐと言って1人で囮になると言った時に儂がどう思った事か・・・。
お前のおかげで、村人全員、誰1人欠けておらんよ。」
この老人は、僕の事を知ってるようだ。
「えっと、どちら様?」
「儂の事を覚えてらんのか・・・」
僕は頷いた。覚えている、覚えていない以前の話で僕はこの老人を知らないのだ。
老人は悲しそうな顔をして
「うーむ、長老様なら何とかしてくれるやもしれん。」と言った。
長老の家
「長老様、儂の孫娘は何故記憶がないのでしょうか?」
「ジジィよ。今のラックは、ラックであってそうでは無いようじゃな。」
ジジィ(お爺さん)は固まっている
僕のお爺さん、ジジィっていうのか。
「・・・孫では無いなら誰なんじゃ?」
「一応ブラック・ネームですが、僕は黒瀬真名美と言います。ブラック・ネームさんとしての記憶はありません・・・」
そう僕が話すとジジィは肩を落とした。
「あの・・・魔法について聞きたい事があるのですが、魔法ってどうやって出すのでしょうか?」
「お主、魔法のない世界から来た異界人か・・・。どう説明したら良いか・・・
ジジィよ彼女に魔法を教えてあげなさい。」
あ、説明丸投げしたな。この長老エルフ。
「はい、長老様。」
「僕みたいな、よそ者に魔法を教えていいんですか?」
「集落以外のエルフでもエルフは皆家族ですので。それに・・・」とジジィさんが言った。
そんなにお孫さんに似ているのだろうか?
名前が一致しているという事は僕が彼女の身体を使用しているのだろう。
滞在中はジジィさんに魔法を習い、彼の家に泊めてもらう事になった。
異世界生活が始まってから1週間が経った。
僕は基本の初級魔法は一通り使えるようになっていた。普通初級魔法1種類でも1ヶ月かかるそうだ。
ここの村人は大半が何かしらの魔法を極めていており、そんな人達から手解きを受けていたらこうなりますよ。
?
あれ?なんか懐かしい感覚が・・・。
そんな筈は無いんだけど・・・
さらにそれから1週間修行をして、この世界の事を長老様に聞いて過ごした。
僕はジジィさんに
「旅に出たいのですが・・・大丈夫ですか?」
と言ってみた。
「ラック・・・ではなくて、マナミさんとやらこれから旅に出るか?」
僕は頷いた。色々な村人にブラックさんは旅に出ようとしたと聞いた。
「そうですか・・・見送りを孫にしてやれなかったので・・・孫に渡すつもりだった杖を使ってください。」
そう言って彼は杖を目の前に出した。
「ありがとうございました。ジジィさん」
『ありがとう、お祖父ちゃん。』
「どうかお元気で。」
『行ってきます。何年かかるかわからないけど、私は必ず帰ってくるから。』」
あれ?ジジィさん何で、泣いてるんだろう?
僕はそう言ってエルフィアの村を後にした。
ステータス(簡易)
ブラック・ネーム
エルフ
女性
魔法
初級魔法(active)
中級魔法(Rock)
上級魔法(Rock)
---------(未習得)
---------(未習得)
---------(Rock)
固有魔法
なし
アイテム
名もなき杖(new)
笛の形をした杖。美しい音色を奏でられる。
打撃には向かない。
私は、まだここにいる。けれど今は、別の人に体を貸している。あの時に聞こえた声に言われた通りにしていなければ・・・そうしなければ私は事切れていただろう。
彼女に力を渡してあげたいが、彼女は魔法のない世界から来た。いきなり魔法は使うことができないだろう。そのせいか私のスキルは半分しか機能していないようだ・・・。
彼女が、私くらいまで、魔法が使えるようになれば十全機能するだろう。
お祖父ちゃん、そんなに落ち込まないで。
私は、必ずお祖父ちゃん達に会うために戻ってくるから・・・元気でね。