第18話 買い物
本日2話目です。
買い物は良いんだけど手持ちは銀貨5枚なので家具や武器防具等を買おうとすると明らかに足りない。
固有スキル:領域外の為替 起動!
『いらっしゃいませ。本日はどのような御用件ですか?』
僕の口座の10万円を金貨に交換してほしい。
『10万円→金貨10枚に致しました。お引き出し致しますか?』
金貨1枚、銀貨4枚、銅貨10枚をお願いします。
このくらいでいいだろう。
取引終了!
『またのご利用をお待ちしております。』
相変わらず便利だ。
『何から買いに行きますか?』
う〜ん、杖が欲しいかな。笛型の杖は年老いたエルフが可愛い孫の為に用意したものだし、僕専用の武器があってもいいかなって。
『魔女の人から文字の書かれた皮にオススメの店が書いていると思うのでそこにしてみましょう。』
魔法使いへのおススメ
〈マジックショップ・ウィズ〉
〈エンチャンター工房〉
〈ロッド・ケイン杖専門店〉
どこも通称魔法通りと呼ばれる所に店を構えてます。
学校の門の所にいる守衛さんに魔法通りの事を聞いてみたらココから冒険者ギルド方面に行く道がそう呼ばれているとの事。
まず、学園から一番近いロッドケイン杖専門店へ行く事にした。
「いらっしゃい。」
年老いた男性が椅子に腰をかけている。
「この店は初めてだね。誰かからの紹介かい?」
「ウイッチ・ハントさんからです。」
「ああ、彼女かい。という事は学生さんかい?」
「はい。」
「少し掌を見たいのだが、こちらに来てくれるかい?」
「構わないですけど・・・」
と言って老人に手を差し出した。
「お主にとって使いにくい杖を持っているな?見たいのだが構わんか?」
僕は頷いて笛型の杖を出した。
「コレは・・・!・・・素材は魔法樹の枝とアダマンツリーの枝か。
コレほどのものとはな・・・造ったのは笛の妖精様か。残念ながらこの杖より強力な杖はワシの店どころか、世界を探してもないだろう。」
この笛そんな凄い代物なんだ・・・
『お祖父ちゃんの悪ふざけの品だと思ってたんですけど、凄いんですね、この杖。高く売れそうだから売っちゃいますか?』
それを売るなんてとんでもない!
その笛、あなたの専用装備です。
『冗談ですよ。』
時々、冗談に聞こえないんだよな。
「その杖は僕には使うことができなくて・・・」
「だから別の杖が欲しいと。残念だが、今ウチの店にある杖では、おぬしの魔力には耐えられないだろう。ちょっと昔話をいいかね?」
あれ?なんか流れ変わった?
「ただの木の枝を軍で使われるような代物にできる、笛の妖精様に憧れ、弟子入りし10年。独り立ちをしてここに店を構えてから50年。どうやったら笛としての演奏機能と杖の要件を満たした逸品を作れるか追求し、やっと設計したんだがね。素材がない!」
そんな事を言われましても・・・。
老人はため息をついてから
「おぬしにこんな事を話してしまってすまんな。・・・伝説の冒険者の緑炎様に雰囲気が似ていたのでつい話してしまった。」
祖父母の知り合いなんだ。
『素材がないなら仕方ないですね。リーチは短いですけど、殴打するならマナミさんにも使えるので暫くそれでいきましょう。』
空中や腕から魔法を出すんじゃなくて杖から魔法を出したんだけどな・・・。
今は諦めるしかないようだ。




