第17話 お部屋紹介
本日2話投稿です。
妖精さんのテンションが高い。
『建物に名前があるみたいですね。』
〈コーポハイツ〉
名付けした人、適当に付けたな・・・。
鍵に付いている木製タグには103と書いてある。
103号室・・・ここだな。
きっと、見た目通りの建物なわけ無いよね。
中身は洋部屋とかだよね。
そんな期待をしながら解錠し扉を開けてみた。
ギィと扉が音を出しながら開くと
見慣れた玄関、知ってる天井、トイレ、風呂付きの1DKの内装だった。
「・・・(ギィ)」
僕は無言で一度扉を閉めた。
『面白そうな部屋なのに、なんで扉を閉めたんですか?』
「・・・(絶句)」
この世界に来る前によく見た光景なんです。
僕が借りていた部屋の間取りと全く同じなんです。
でも何だろう?違和感があるな・・・。
ガスと電気と水道管って機能してるのかな?
あ、そうか!部屋自体に魔法がかかってるのか。
『やっと気が付きました?空間魔法で構築された部屋ですね。入る人によって快適な空間・・・マイルームを投影する設計のようです。この内装はマナミさんの部屋なんですよね?』
「ハイ、ソウデス。人間だった頃に住んでいた部屋と同じです。」
もう一度扉を開けて靴を脱ぎ部屋に入り辺りを見渡した。
まるっきり家具の配置が僕の部屋。
冷蔵庫、テレビ、ガスコンロ、風呂、トイレは付いていたが、流石に収納スペースに入れておいた衣類や靴、調理器具、冷蔵庫の中身は無かった。
妖精さんは異世界のものに興味津々で、
『これは何をする道具ですか?』
「これはテレビっていう名前で今は使えないただの箱です。」
放送局がないので使えません。流石に受信料は取りに来ないだろう。
『こっちは?火が着くのは?』
「ガスコンロですね。調理する為の道具です。後で、夕食を作るときに使うので楽しみにしていて下さい。」
『あっちの白い箱は?』
「冷蔵庫ですね。食べ物や飲み物を冷やします。これも後で使います。」
『お風呂がありますね。お風呂付の家ってマナミさんのいた世界では当たり前なんですか?』
「殆どの物件にあると思いますよ?」
ラックさんは、「そうなんですね・・・。お金持ちが多いんてすね。」と呟いていた
違いますからね。普及してるだけですからね。
『お風呂がある部屋。これだけで友達に自慢ができます。』
「・・・。」
『どうしたんですか?マナミさん?』
「この内装は僕の部屋の再現です。この部屋を見られたら転生者に関係するエルフってバレてしまいます。」
(それに第一ラックさん、友達いないじゃないですか)
『今、何か失礼な事を考えてたみたいでしたけど・・・そうですね。転生者の事はバレたらまずいですからね・・・。』
だいぶ落ち込んじゃったなかな?。
「気分転換に買い物いきましょう!」
『元々その予定じゃなかったでしたっけ?』
妖精さんはそんなに落ち込んではいなかった。
「それじゃ色々買いに行きますか。」
と明るく言って有耶無耶にする事にした。
『誤魔化せてないですからね。』
「やっぱり?」




