第10話 帝国領イースの町1
早朝、冒険者ギルドに行き、マドリーさんからギルドカードと紹介状を受け取った。
依頼はあるにはあるが、西方面だったので受けないで出発することにした。
「気を付けて行きな。マナミ。」
とマドリーさん。
僕の事を孫扱いしてるから心配なのだろう。
「行ってきます。」
とマドリーさんとコルトさんに告げてギルドの門を出ようとしたところで
「心配し過ぎですよ。マs」
とコルトさんが言い終わる前に、爆発音が聞こえたが、振り向かない事にした。
街を出てから30分
僕は立札の前に来た。
森の方から何かが来る。
僕は魔法を撃つ準備をした。
「君は森のエルフか?」
ボロではあるが、ローブを羽織ったオジさんが来た。
「俺はイーストリア帝国イース出身のエンってもんだ。魔物の生態調査をしててな、
最近、この辺りに出たっていう影の狼について調査しているんだが・・・」
退治した人物に聞いてみよう。
『情報料貰っておきましょう。』
「(そうですね。)冒険者をやっておりまして、魔物の調査やその情報となりますと・・・金貨1枚でどうです?」
「冒険者か・・・。今は、生憎金貨の持ち合わせがなくてな。それは今度会った時に聞くとしよう。勿論、報酬は弾む。」
と残念そうに言った。
「どっちに行くんだ?」
「帝国です。」
「俺も帝国とその先の国に用がある。そこまで護衛を頼めるか?と言っても30分位、俺と会話をしながら歩くだけだが」
依頼はギルドの仲介が有ると危険度、難易度などがわかりやすいし問題があっても補償があるんだけど・・・個人契約となるとな・・・
帝国の情報は少しでも聞いておきたい。
けど、オジさんと歩くだけのお仕事は怪しい。
どうします?妖精さん。
『むしりとってやりましょう。それと私はエルフです。』
ラックさんってこの人の事嫌いなの?
『そんな事ないですよ?』
報酬は僕が決めていい?
『有り金全部、貰ってください。』
「帝国の情報と前払いで銀貨2枚でよければ」
と僕は返事をした。
「銀貨2枚・・・。今後、何かを依頼をするかもしれないからな・・・ホラよ。」
と言って銀貨を2枚僕に投げた。
男は歩き始めて僕もそれについて行った。
男は歩きながら帝国の事を話し始めた。
「帝国領っても領土が小さいから皇帝自らが統治している。」
大きな国だと思っていたけどそうではないらしい。
他の情報としては、
ここ10年で出来た国、皇帝は(マドリーさんに聞いていた通り)種族差別はしない、
隣国との戦争に興味がなく自衛だけするという話だった。
門が見えてきた所でオジさんが
「お、もうそろそろ門だな。」
と言った。
「最後に皇帝の名前なんだが、ワンフォー・スリードット。冴えないおっさん顔の若造だ。
碌に国の管理も出来ちゃいないマヌケさ。」
どのツラを下げてそんな事が言えるんですかね?
自分も冴えないおっさん顔なのに☆(笑み)
↑
いつもの脳内会話の『』はどこへ行っちゃったの?
☆とかキャラ崩壊してるよ。
独白で毒吐いてるよこの妖精さん・・・
「おじさん、皇帝の悪口言って大丈夫なんですか?」
「大丈夫だって。本当の事なんだから。後、俺はまだオジさんって言われる歳じゃないからな。」
門が見えてきた。
「俺は先にもっと東の国へ調査に行く。ここでお別れだな。」
そう言ってオジ・・お兄さんは更に東へと向かって行った。
さて、僕も行くか。
『嘘つきはきらいです。』
親切な人だったけどね。
『また、直ぐに会いそうな気がします。会いたくないですけど。』
本当に嫌なんだ。ラックさん・・・
でも嘘つきってどういう事?
『金貨を持ってましたよ?さっきの人。財布袋をわざわざ3つにしていたようですし。』
え?そうなの?全然気がつかなかった。




