第117話 合鍵
アリシアを追いかけると鍛冶屋に辿り着いた。
「おやっさん、居るか?」
返事がない。
「集中してんな。お前らついて来い。」
アリシアは勝手に奥に進んでいった。
アリシアを追いかけて奥に進むとドワーフの男が鉄を打っていた。
「ノーブル!聞こえてんのか?」
アリシアは男の耳元まで行き大声で叫んだ。
「五月蝿え!人が真剣に仕事してんだから黙って待て!・・・ってアリシア姫か?」
「久しぶりだな、ノーブル。」
「お前さん、お尋ね者になってるよな?」
「成る程、エルフに人、それとよく判らん種族の冒険者を雇ったのか。」
よく判らん種族って何?それ、僕の事?
「他に誰がいるんですか?」
姉は辛辣な一言を言った。
「武器を造るには使い手の種族や魔力の質が分からなきゃならないからな。ハーフエルフってわけでも無いし、魔力の量が人族とも違うし、かと言って質がエルフのそれとは違うしな。」
へえ、質と量が噛み合ってないのか・・・。
「アイツのとこには?」
「行ったぜ。ただな・・・。」
「そうか。アイツが酒を飲んで無いとすると、最近雇い入れた身代わりだな。飲み屋に行きたくて雇ったらしいがな。身代わりの方は一切飲めないらしい。」
と呟いた。
本当に身代わり雇ったのか・・・。
しかも下らない理由で・・・。
それに、身代わりの意味ってあるのだろうか?
「武器を融通して欲しい。」
ノーブルは目を瞑り首を横に振った。
「今は、戦いがないから専ら工具や生活用品をメインにしてる。だから武器を作っても腕が落ちちまって今じゃ、ナマクラにしかならんよ。創りたいなら工房を貸すぞ?エルフだか人だかよくわからんにやらせれば良い。俺よりも良いもんを作れそうだ。」
いや、僕にそう言った経験はありませんよ。
「コイツには武器作りはできねーよ。それとは別にもう一つ聞きたかったのは、城の錠前は、まだ作れるのか?」
「そっちはできるぞ。型は俺が管理してるからな。この事を知らないのはバカ王子だけだしな。今回の件はアイツが元凶なんだろ?」
「信じたくはないがそうなるな。急いで用意してくれ。お代は国を盗ったら払う。」
「国を盗るね。成る程、盗賊姫なんて通り名が付くわけだ。」
ノーブルさんは豪快に笑ってた。




