第115話 城下町ギルド1
問題なく門を通り抜けて行く所は冒険者ギルド。
他の場所のギルドマスターと同様、ここのギルドマスターもマドリーさんのパーティーに籍を置いていたらしく、力になってくれるかも(ラックさん談)との事でやって来た。
受付で封書(出発の直前にマドリーさんがくれたもの)を出すとギルドマスターの部屋まで案内された。
「入って来なさい。」
部屋の中から女性の声がした。
「失礼します。」
「久しぶりだね。ラックちゃん、リリちゃん。」
「お久しぶりです。」
「お久しぶりです。」
城下町を歩いている際にドワーフの女性は幼く見える事をアリシアから聞いていたので、ギルドマスターが童女でも驚かなかった。
ギルドマスターがドワーフなのも想定していた。
「そちらは初めましてだね?固有魔導書のマナミ・クロセ。」
何だろうか?目の前の童女に見られているだけなのに物凄い冷や汗が出る。
「成る程、面白いね。人?それともエルフ?」
因みに今の姿は人の姿。
鑑定等でステータスをみたのだろうか?
「いや、私は人に対しての鑑定は持ってないよ。君が所持している見たこともない武器や道具さ。」
全部スキルで収納しているはずなんだけど・・・
困惑しているとラックさんが小声で話しかけてきた。
「人を見た際に、例え異空間にしまっていてもアイテムが一覧になって見える魔眼だそうです。」
何それ!?
驚いているとギルドマスターはアリシアの方を向き睨むようにしてこう言い放った。
「それで何で行方不明の姫様が一緒なの?」と。




