第111話 杖って何だろうか
「今、何をしたんじゃ?」
固有魔法を創り出した事、その固有魔法を別の固有魔法で巻物にした事をケインさんに説明した。
「・・・」
ケインさんは絶句していた。
そして我にかえると
「それを1つ貰えんか?タダとは言わない。音石とか他の素材欲しいじゃろ?好きなのと交換してくれるか?」
と言い出した。
素材はあればある程色々できるので交換に応じる事にした。
もう一枚、圧縮の巻物を創り作業を始める。
丸太に圧縮をかけ続け木の枝くらいの大きさになるまで作業をすると2つに割れた。
「もう解除してよい。そうしたらそこに釜があるから素材と魔石、圧縮した樹を入れて魔力を流すのじゃ。」
言われた通りに圧縮した樹、風の魔石、音石、その他の素材を入れて魔力を流した。
暫く魔力を流し続けると釜が光り出した。
釜の蓋が開いたと思ったら2丁の拳銃が出てきた。
これが僕の杖?
杖!?
「明らかに杖ではないですよね?」
うん、拳銃。完全に拳銃。
「杖とは形では無いので気にする事はないじゃろう。それより性能はどうなっているんじゃ?」
一度収納して鑑定をした。
“名称:ハーメルン・ケイン
銃型の杖。”
あ、やっぱり杖なんだ。
“因みにモデルはワルサーとコンバットマグナム”
・・・ここに突っ込むのをやめよう。
気を取り直して続きを読む。
“また、管楽器ならどの形状にもなる。
竹輪?あれは食べ物だからできないです。”
魔法の力で管楽器になるのはわかる。
でも明らかに最後の文章いらないでしょ・・・
「ちくわって何ですか?」
今度作りますから今は忘れてください。
“巻物を弾にして撃ち出す。
弾として撃ち出した巻物は消滅する。弾の作り方は巻物を銃身に近づけて魔力を流すと自動的に弾になる。”
試しに圧縮の巻物を筒状にして銃に近づけ魔力を流すと弾に変わったので装填してみた。
収納から適当に魔物が入った箱を1つ取り出した。
それに向けて引き金を引いたら箱が一回り小さくなっていた。
成る程、杖というより魔法銃だ。
次に笛に変わるか試してみた。
金管楽器にも木管楽器にもなった。
「凄い!幾つもの形状にも変化するのか!」
そんなに凄い代物何ですか?
「普通の杖はそうはなりませんよ。まぁ、マナミさんですから・・・」
いつもの事だから仕方ないみたいな顔をしないでもらえますか?ラックさん?
僕はこう思った。
杖って何だろうと。




