第109話 本題に入る
ギルドマスター室から戻ると3人は飲食スペースでお茶をしていた。
「戻ってきましたね。」
ラックさんが紅茶を飲み、口を開く。
「それでお父様と何の話を?」
「大方ギルドカードの裏側の事だろ?」
リリアンさんの問いにアリシアが答えた。
え?何でその事を・・・。
アリシアは「あ、」と言い、しまったーという顔をしてから
「あーこれ機密事項だったな。アタイはハーフドワーフだから登録的にどっちになるか確認したら好きな方で登録して良いってストレンジに言われてね。結局、ハーフドワーフとして登録したけどね。」と小声で言った。
この話を聞いたリリアンさんとラックさんは、妙に納得していた。
リリアンさんは先程まで受付嬢だったから知っていてもおかしくないのだが、あの様子からラックさんは解析したな・・・。
僕も紅茶を買いみんなで少し話をして本来の目的を果たしに行く。
まず、初めにマジックショップに足を運ぶことにした。
マジックショップウィズに着くと貼り紙が貼ってあった。
ー御用の方はロッド・ケイン杖専門店までお越し下さい。店主ー
「ちょうどいいじゃんか。杖専門店に用があるんだろ?なら、早く行こうぜ。」
そうですね。
斜め向かいの杖専門店の方を見るとこちらにも貼り紙があった。
ー御用の方はエンチャンター工房へ 店主ー
・・・瞬間移動しましょうか?
工房までは距離があるので瞬間移動をした。
エンチャンター工房へたどり着くとエルフのロッドさん、ハーフエルフのウィズさん、そして人族でリリアンさんの伯母のウォールさんが何かを話し合っていた。
「陛下の結婚の儀の際に街から催しをして欲しいとあったが・・・」
「うちの妹に掛け合って学生達に御前試合でもさせた方が・・・。」
「それ、冒険者ギルドの大会と被りませんか?学生さんの中にも冒険者ギルド所属の方はいますし・・・あれ?マナミちゃん?それと初めての人もいるね。」
軽く自己紹介をして本題に入る。
「その魔石があれば可能じゃが、杖の本体である木が無ければ・・・」
木ならある。収納から異界樹(杉)を取り出してケインさんに見てもらった。
「見た事もない木じゃ。この大きさだと2つ作れるな。」
え?丸太なのに?




