第8話 ウェスティンの街5ー魔眼と鑑定スキル
「さて、ランクの判定なんだが、ラックなら文句なしでAランク・・・Sランクにしてやりたいんだが・・・」
うん、そうだよね・・・Aランクの魔物の群れを単独で討伐してるからね・・・ブラックさん。
「転生者か・・・。マナミ、お前さんは、固有の能力がいくつかあるみたいだし、他のギルドでもやってける・・・。いや、でも折角、孫になってくれるのだから・・・」
僕は孫にはならないです。マドリーさん。
「こりゃ、コルトの意見も聞いた方がいいかね・・・」
何故ここで、コルトさん?そう思っていると、
ドアをノックする音がして
「マスター入りますよ?」
とドアの向こうからコルトさんの声がした。
「失礼します。手続きの印を押していただきたいのですが・・・」
「コルト、ちょうどいいところに来た」
「はい、何でしょう?」
「転生について、この子に教えてあげてくれるかい?ちょっと特殊みたいだが、此奴も転生したみたいだ。それと、あんたの能力でこの娘を見てやってくれ。」
コルトさんの能力は《真実の魔眼》という名前で物事の本質を見る眼。この力を使ってステータスも見れるらしい。
一見、便利な能力だけど眼を使う能力故に自分を見れないのが難点との事。(魔眼は鏡ごしでは能力が使えないらしい)
僕の能力を見てコルトさんは驚いていた。
いくつかの固有スキルが見た事もない言語で書かれていたそうだ。
(それって固有スキルの効果?)
「転生者なのは間違いないみたいなんですけど・・・先日会った勇者や私なんかとはまた違うみたいですね。それに魂がもう1つあるみたいです。マスターの見立て通り特殊ですね。」
この世界に転生勇者っているんだ。
・・・え?コルトさん転生者なの?
「転生には2種類ありまして、
勇者の場合は前世の記憶を持って生まれてきたそうです。
私の場合は冒険者として活動していくうちに強くなって、気がついたら角が生えて魔人みたいな見た目になっていました。
数日前に鑑定屋で見てもらった時のステータス上は人間のままなので、人間って公言します。」
転生者の定義は前世の記憶、能力保持か、現地人の身体強化の一種の事みたいだ。
「魂がもう1人あるってことは、ラックは居るんだね?で、あんたならどうする?コルト」
「合格にしますね。
彼女自身、初級とはいえ8属性全ての魔法が使える様です。サラッと無詠唱ですし・・・。
魔術ギルドならSまでいける人材ですね。」
「あんたもそう思うかい。でも、孫である、ラックとマナミを他にはやりたくないからね。」
本来、魔法って詠唱必要なんですね・・・。
(エルフの村人、全員が呪文を唱えなかったからそういうタイプの魔法世界かと思ってたら違うんだ)
それと、僕はもう孫扱いなんですね・・・マドリーさん。
「マナミ、とりあえずはCランクだ。
あんたも私の孫ならラック並みの魔法使いになって貰うよ。冒険者ギルドで仕事をしながら魔法使いの学校に行って貰う。なぁに、学費は心配するな。お婆ちゃんに任せな」
だから、孫じゃないんだけど・・・
どちらも辞退したいんだけど、断れそうにない。
とりあえず、学校に通う事を約束して学費は奨学生制度を利用する方向にした。
異世界に来てまで、学校に行くのか・・・
僕はちょっと憂鬱になった。
『私は楽しみですけどね。』
え?妖精さん?
『エルフです。』
あ、もしかして・・・・・
『会話が出来るようになったので鑑定屋の説明をします。鑑定屋は鑑定スキルでステータスを見るお仕事です。
鑑定スキルのレベルにより見れるものが違うそうです。』
LV.1対象の名称を見る
LV.2対象の現在レベル
LV.3対象のパラメーター
LV.4対象のスキル
LV.5道具の鑑定
LV.6対象の魔法、技
LV.7対象の固有魔法、固有技
LV.8対象の固有スキル
LV.9隠蔽無効
LV.10(Max)?
『鑑定屋になるにはLV.5以上が必要。
ちなみに魔眼はLV.8相当、
LV.10は保有者がいないので不明です。』
でも、鑑定屋に依頼するとお高いんでしょ?
『銀貨5枚でやってくれます。』
微妙に高い・・・




