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八百長世界 NewGENERATIONS DAEMONKING  作者: ブリマグロ
0の章 八百長の下準備の下準備
1/15

プロローグ -次世代の始まり-

名も知らぬ。時代も知らぬ。どこかの世界。

これはそんな世界の外側の大きなお話である。

不思議に思ったことはないだろうか?

どうして正義と悪が分かれているのか?どうして勇者と呼ばれる存在が生まれるのか?どうして魔王とよばれるものは倒されるのか?魔界や天界の通貨がなぜ統一されているのか?それが常識と思っている人も多いと思うが、いつからそれが常識となったのだろうか?暗黙の了解というのは誰が作ったのだろうか?

誰一人疑問に思ったことなのはないだろうか?


結論から申し上げると、世界そのもので大きな八百長が行われているからだ。


増えすぎた魔物や人間の間引き、天使と呼ばれる存在の選別、発展しすぎた世界のバランス調整

目的は多々あるが一番の理由は天界と魔界、双方にとって人間界というものが巨大なマーケットとして存在しているからである。


人間という空が飛べないなら魔法も力も弱い存在が生まれ繁栄し、全ての世界で一番数の多い種族となったのだ。力がないからこそ強い力に憧れる。他の種族を狩り、その硬い鱗や鋭い牙を加工し武器や防具を作り出し世界の果てを目指し旅をするようになった。そうして何千、何万という年月を経て人間界は三界で一番の経済力を持つ世界として君臨するようになった。


「さて、ここまでは問題ありませんね。若様」


「それこそ何万回と聞かされたことだ。忘れたくても忘れられないんだけどな。で、どうしていまさらそんなことを言うんだ?」


「序盤の状況説明というのはゲームの嗜みでございますよ若様。近頃は取扱説明書や操作説明を見ないプレイヤーが多いですからね。そういう人たちに限ってコミュニティーサイトや動画サイトでの批判が多いですからね。」


「お前はなにを言っているんだ?」


「オホホ。若様はお気になさらず。ちょっと暗い過去を思い出してしまっただけでございます故。」


こいつは時々、よくわからないことを言いやがる。この前も『こまめなセーブというのはそれだけで脅威となりますが、だからといって教会を破壊してはいけませんよ。バランスブレイカーは他の方がしてくれるので。』なんてことを言ってた。バランスブレイカーとはなんのことなのかと考えたが、よくわからなかった。とはいえ、気になるか気にならないかと言われたら、あまり気にならないというのが正直なところなのだ。


「ところどで若様。準備はできておりますか?」


「準備?ああ、たしか大天使主催のパーティだったな。あれは父上が出席するから行かなくてもいいって聞いているのだが。」


「左様でございます。ですが若様には大天使様の娘様のお相手をしていただきたくございます。互いに若いもの同士、次期魔王様と次期大天使様。いまから仲を取り持つのは悪くないかと思われますよ。絶世の美人という噂でございます。それにです」


「それに?」


「若様も年頃の異性というのを近くで感じるいい機会でございます。そしてそのまま、なんかこういい雰囲気で一晩しっぽりと朝帰りなんてのを期待しているというのが本音でございます。問題はございませんよ。城の者たちで若様のお仕事は二、三日はございませんので。」


「どうしてそういうことに関しての手回しは素早んだ。」


「長年生きているとそういった話くらいしか楽しみがございませんので。」


「そうはなりたくないな。」


「ならなくとも、いずれはなってしまうものでございます。諦めも肝心ということで一つ。」


「仕方ない。」


椅子から立ち上がり大広間を一望できる踊り場へと移動する。

眼下には人ならざる者たちが肉を食い酒を飲みかわしているが、若様と呼ばれる者が現れると同時に視線は一点に注目した。


「私はこれより父上の城に向かう!諸君。しばしここを開けることになる。以上だ!」


「「「おおおおおおおおおお!!!」」」




「念のためだ。魔老人を呼んでおけ。」


「かしこまりました。」







世界というのは嘘と偽りで満ちている。

だがそれは世界を保つための嘘である。

壊れやすいものを大切に扱うのと同じなのだ。


魔物図鑑001  魔王

魔王とは強い力をもっている存在である。その力は腕の一振りで国を亡ぼすとまで言われている。

生きた災害とまで言われているが、人の世界では勇者と呼ばれる存在によって打倒されたとして語られることになっているが嘘である。かつて世界のバランスを保つために倒された演出をしただけとうのが真実である。ちなみに魔王というのは世襲制であるため、若様というのは次期魔王様ということである。

余談ではあるが、初代魔王は人間であったとされているがどの文献にも該当するものはない。ただ言葉が通じるということは、そういう可能性を示唆していることに他ならない。




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