僕らの身体が
越えらんない
君と僕の境界線
もどかしくて
言葉の舌触りを
確かめている
味オンチな舌で
噛み合わない歯で
咀嚼しては
飲み込んでいる
僕らの身体が
言葉で出来ていたのなら
この骨をばらして
唇で交換できるのだろうか
その血の温かさを
心臓の鼓動を
越えらんない
君と僕の境界線
君はどんな味がするのだろう
もどかしくて
言葉の舌触りを
確かめている
君の真実は
苦いのかな
甘いのかな
僕と同じ
味なのかな
僕らの身体が
言葉で出来ていたのなら
この瞳に映るすべてを
唇で交換できるのだろうか
耳たぶのつめたさを
曲がった小指の遺伝子を
越えらんない
君と僕の境界線
その皮膚の隙間から
その瞬きの合間から
その吐息の継ぎ目から
この唇で
隅々までなぞる輪郭
僕らの身体が
言葉で出来ていたのなら