チートの権化
此処に来てようやく説明回
長いです
まぁ、取り敢えずは、だ。
徹夜の奇行を見て、アイリ姉と徹夜の会話を聞きながら少々ぼ~っとして父を待つ。
するとアムド兄とカラド兄がやってきた。
「今回の勇者と言うのは伝承とは全く違うものなのだな」
「うん。あの二人は伝承の様に行くかどうかも分からないしね」
「だが、勇者だ。そこはわきまえてもらわねば困る……所で、あきら?と言うの名前はどういう事なのだ」
「そのことについて話したいのだが、父上たちがまだだからもう少し待ってもらいたい」
「カラド、クリスは言うと言っているのだ。これ以上問い詰めなくても良かろう」
「アムド兄さん、それはそうだが」
何と言うか、前の世界では弟とかいなかったから良く判らなかったけどやっぱり上に家族がいるという家族は良いものなんだなぁって思う。
そうやっていると父である賢帝フィン王、第一王妃レータ、第二王妃アニー、そして私の母である第三王妃エイプリルが揃ってやってきた。
なにやら私の隠し事は既に隠し事としてばれていた様で王妃達も気になっていた、ということらしい。
父さんであるフィン王のみならずアムド兄やセレスティ姉、徹夜や和也もこちらを見ている。
そしておもむろに父さんの口が開いた
「してクリス。おぬしの隠し事とは一体何なのだ?おぬしの武具、知識、教養、そして立ち振る舞いが歳不相応に関係が有ると言うのだな?」
「はい、父上」
「硬くならなくて良い。ここには家族とおぬしの本当のことを知っている友しかおらぬのだ。」
「……私は、前世の記憶がございます。不動晶と言う名前で此処にいる勇者達と共にいた記憶が。」
その言葉を聴いてアイリ姉だけが驚き後の王を筆頭に皆がそれに納得したかのように頷いている
「やはり、前世の記憶があったのか。何時ごろから思い出したのだ?」
「一昨年、アイリ姉の姫騎士契約を見たときに気を失ったことがありましたが、その時に」
「なるほどのう」
フィン父さんはそれを聞いて納得した。
するとエイプリル母さんがいきなり強く抱きしめてきた。
ぎゅっと抱きしめられるのは何時振りの事か
「それでも……貴方は私の息子です。クリスティン・F・イムルガルド。前世の記憶を事実として受け止めるのは良いでしょう。しかしそれにつられてはなりません。貴方は、貴女なのですから」
母親に確りと息子だと認定してもらう。
なにか、どっと背中から重荷が降りたようなそんな心境だ。
打ち明けて、良かった。
それからチートの説明もしないといけない
「父さん」
「ん?なんだ、クリス」
「私の武具や知識の事なんだけど……正直これは良く判らない。気がついたときには使えていたんだ。」
これは半分本当で半分嘘。
この世界に多くいる精霊、その精霊達の中でも特に強いとされている大精霊と契約を結んでいる。
だけどその契約のするときに大精霊達から自分達が契約していることを誰にも言わないことを条件に出されたのだ。
だからこそ、半分の本当と半分の嘘を重ねる
「両手から両肘、両足から両膝に掛けて鎧の一部みたいなのがつくけどそれはオリハルコンで、そのオリハルコンに精霊が宿ることでさまざまな事が出来る……らしい」
「ほう、伝説の鉱石か。それは記憶が戻ったときに取り戻した力なのか?」
「いいえ。 私や徹夜、和也は元々戦いの……争いが限りなく少ない場所で生まれました。犯罪者であれ人を殺してはいけない。そんな風に言われて育ってきたのです」
「ふむ。では何故それがオリハルコンで、そのような事が出来るという風にいえるのかね?判らないものではないかのぉ?」
ふむ、と頷きながら私の言葉を真実であると信じてくれている。
徹夜と同じ様に両手両足にオリハルコンの武具を出現させる
「実は私にはこれを生み出す以外にも”鑑定”というスキルがあります」
「「鑑定」?そんなスキルは聞いた事が……いや、クリスの言うことなのだから事実なのだろう。何処まで鑑定できる?」
「先ほどやったように見たことも無い物の真偽、その武器の特性、能力など全てを見ることが出来ます」
「晶質問~!俺のあまのなんたらと大からくりにどんな能力があるん~?」
カラド兄が納得してくれた。
他の家族も同じように今の説明でそう言う物なのだと認識してくれている
能力云々の事を聞かれてそういえば説明していなかったなと思う。
これはうっかりしていた。
後徹夜よ
「天羽々斬とからくりじゃなくて大倶利伽羅な。すまんがもう一度見せてくれ」
未だ武具を着込んでいる状態の徹夜から日本刀を預かり天羽々斬を刀を抜く
「まずこれは龍族、ワイバーン種や龍種に対して絶対的とも言える攻撃力付加が掛かってるな……後精霊がいる。」
「おぉ!流石神話の剣!で、精霊は何処に?」
「今は覚醒していない。これは多分、お前がどうにかして起こさないといけない類の物だろうな」
「覚醒!なんか格好良いなぁ~♪後は何かあるか?」
「他にも不浄の物、アンデッドに対しても龍種程では無いが攻撃付加がついている。聖属性の剣、ということだろう……徹夜、この世界には亜人としてドラゴニアンと呼ばれる龍の混ざった者が居る。その人達に向けるなよ?それだけで相手は想像を絶する恐怖を味わうことになるからな」
「アイリやロリが不条理になってなければ向けないと誓うぞ~」
「ちょ、何で私の名前が出てくるのよ!」
「アイリは俺の嫁!」
「嫁所か恋人ですらないわよ馬鹿!」
顔を真っ赤口では否定していても意外にまんざらでも無い様子のアイリ姉
徹夜は高評価なのかアイリ姉
それともあんなに直接的なプロポーズ(あれはプロポーズというか変態宣言なのだが)をされて戸惑っているのか……女性の心は判らない
はぁ、とため息をつきながら次の剣、伊達政宗が使っていたとされる大倶利伽羅の剣を見る。
美しさは神話の名剣天羽々斬に勝るとも劣らない。
……能力は人型タイプ全般に対して必ず先制攻撃できる、か。
「……え、人型?人の形をしたものに必ず先制攻撃できるとかどんだけだ」
「事、対人戦に関して言えばそちらを使えば敵に不意を付かれる事が無い、と言う認識で良いのか?」
「うん、アムド兄の認識で間違ってない。絶対的優位で闘えるって事だね」
「なんとも反則的な能力だな、それは」
凄まじいなぁと思いながらふとその鎧を見て鎧にも何かついているのかなぁと見たら思わず硬直してしまう
「クリス?この馬鹿を見て何固まってるの?」
「?晶、この鎧何かあるのか~?」
「徹夜その鎧には対魔の魔法が掛かってる。大魔法クラスの魔法でも軽減できるらしいぞ」
「嘘、大魔法クラスを?!大魔法って言ったら村一つ、都市一つ丸ごと消滅できる魔法でしょう!?」
「うん、けど出来る。その鎧を纏っていればうまくすれば大魔法そのものを消滅まで追いやることが出来るみたい」
実に反則的だ。
チートの権化此処にありだ。
そういえば和也の姿が見えないのだが何処に……と思ったら部屋のいすに座っていた。
ただ座っているのではない、何と膝の上にセレスティ姉を乗せた状態で、だ
「子供は何人が良いでしょう?ふふ、和也様との間の子供ならとても良い子を産めそうです」
「セレス、俺もそう思うよ」
めっちゃラブラブモードに入った、和也とセレスティ姉が居た。
会話には言ってこないと思ったら口説いていたのか和也
というか口説かれて落ちたのかセレスティ姉
色々とどっと疲れが出てきた私は、多分普通だと思う
「あぁ~!セレス姉が?!」
「ほう、お似合いのだな」
「セレス姉さんまでもが……まぁ、勇者だから良い、か?」
カラド兄、多分勇者でも駄目だと思うよ?
そして父さん母さん達、ほのぼのとした風に見てないで止めてよ。
そう思う、私であった
まずは既に出てきた徹夜から
チートもチート、反則級です