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勇者とチートと物語  作者: 紫藤 霞
物語の始まりと勇者と言う者
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賢帝への報告と勇者の武具

 そんなこんなで和也と徹夜の二人を連れて父であり王でもある、賢帝フィン王の所へつれて来た。

 此処に来る間も徹夜のラブラブアタックをアイリ姉が文句を言いながら返していたが実の所アイリ姉の様子を見るにまんざらでも無い様子。

 自分と同等、いやそれ以上の強さを持つ徹夜に興味が湧いたのか、或いは一目ぼれか。

 それは当人達にしかわからないが喧嘩するほど仲が良い、とでもいうように仲良く喧嘩している。

 それを見てアムド兄は


「嫁の貰い手のいなかったアイリもこれで相手が見つかったかな?」

「アムド兄さん、アイリにはそういう相手は早いのでは……?」

「そうかな?私としてはカラドがそうだったようにもう良い頃だと思うよ」


 カラド兄とアムド兄の二人がそんな事を言いながら、漸くたどり着いた父親たる賢帝に二人を合わせる。

 礼儀作法も知らない二人だから私から指示を出す


「徹夜、和也頭を下げて良いって言うまで頭上げたら駄目だからね?」

「了解した」

「うぃうぃ。」


 二人とも一応の礼儀はわかっている。

 だがそれもあくまで一応だ、だからこれだけは守れと言い切って賢帝が来るのを待ち、そしてその時が来た。

 ゆっくりと現れる現帝王にして賢帝フィン王。

 未だ衰えを知らないのかと言うほどの覇気と威圧。

 後ろにいる二人はその威圧を特に感じてはいないが覇気を感じ取ったらしく改めて頭を下げている。


「皆の者、表を上げよ」


 その言葉にアムド兄を筆頭にゆっくりと顔を上げていく。


「アムドよ、状況の報告を。近衛騎士団が到着した時には全て終わっていたとの事。そしてクリスの名において準司祭を置いた理由を述べよ」

「はっ」


 まずはアムド兄が勇者召喚の一方を受けてから教会にたどり着き、教会が襲撃を受けていたことを報告。

 さらに増援もいたことで此処でアムド兄と私組とカラド兄とアイリ姉の分かれて行動。

 その後教会内部は私に任せて外にいたゴブリンを掃討。

 勇者二人を連れて教会内部から来た私と共に別働隊のカラド兄たちの援護に入ったこと。

 そこで徹夜が勇者として覚醒したことを伝えた


「覚醒か」


 アムド兄の言葉を受けてゆっくりと徹夜の事を見て


「今も覚醒することが出来るのであろうか、勇者よ」

「へっ?あ、えっと出来っと……じゃない、出来ると思います」


 徹夜がそういいなおしてから立ち上がる。

 すると魔力が哲也の周りを胎動したと同時に侍の甲冑――当世具足――が身体に光と共に出現する。

 その姿、どこかで見たと思ったが一つ思いあたりがあった


「そうだ「黒漆塗五枚胴具足くろうるしぬりごまいどうぐそく」か、それは」

「へ?晶これ何か知ってるの?」


 本来の「黒漆塗五枚胴具足」はその名の通り黒を基調としている物であり徹夜が着ているものは黒ではなく赤を基調としている。

 初見でこれを見抜くのはかなり難しいであろう

 着ている本人も知らないこと、と言うよりこの場合は雑学的なものではあるが


「仙台の伊達政宗が着用していたとされている由緒正しき鎧だよ。」

「おぉ~!それはすげぇ! あ、この剣は何かわかるか?」


 鞘ごとふた振りの剣を渡される私。

 父上の表情も先ほどからずっと厳しい者がある

 何故それを知っているのか、と言う表情なのか、或いはそれを知っていることに対する驚愕なのかは、わからない

 ともあれ今はこの剣の、日本刀の事を知りたい気持ちのほうが大きい。

 片方は間違いなく「大倶利伽羅」であっている。

 鎧が伊達の物だからカタナも同じ立ての者があると思ったが予想道理であった。

 もう片方は判らない。

 こんなの見たことも聞いたことも無いので”鑑定”してみれば


「……天羽々斬?これがあの伝説の」

「なに、あまの……なに?」

「天羽々アマノハバキリ。あの伝説の八岐大蛇を倒したと言われるあの名刀だよ。もう片方はその鎧の伊達家由来の物で大倶利伽羅オオクリカラって物だ。方や神話の剣、方や実在した名刀。どっちも凄い物だって事だ」

「おぉ~!神話の剣もあるのか、すげぇ♪」


 徹夜は神話の剣、実在した名刀を見て心を躍らせている。

 もっとも、これを”鑑定”した私も興奮している。

 あんなものを見せられればやはりどうしたって男心をくすぐる者がある。

 それを見て温和な笑みを浮かばせた父、賢帝はもう一人の座っている和也にも同じ事を問うた。


「申し訳ございません。私はまだ勇者としては覚醒していないので」

「そうか、だが安心しなさい。勇者として召喚されたのだから遠からず覚醒できるであろう」

「有難うございます」


 こうして、王の間での謁見は終わり場所はその奥、父賢帝の部屋へと場所を移動する。

 理由は簡単、此処は家族の団欒の場所だから警護も何も要らないのだ


「皆さん、お帰りなさい。 あら?貴女達二人が勇者なのですね。私は第3王位継承権を持つセレスティと申します。気軽にセレスとおよび下さい」


 部屋にはセレスティ姉しかいない。

 メイドに聞くと一度父は母親達の部屋によってから来るそうだ。

 それなら仕方ないかと思っていると徹夜が唐突にセレスティ姉の所で跪いた。


「セレスティ……とても良い名です。どうか、私と付き合っていただけませんか?」




 ……そういえば和也の趣味はロリ巨乳。

 セレスティ姉は二次元にしか居ないとされたあのロリ巨乳だった。

 ブルータス、お前もなのか

此処から色んな説明を行ないます。

ブックマークが20をいつの間にか超えていて凄く嬉しいです。

これからも精進して参りたいと思います。



それから、大倶利伽羅オオクリカラ・黒漆塗五枚胴具足(伊達政宗の使っていた鎧)は仙台市の博物館で実物が見れますので機会があればどうぞ~

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