ライナの研究報告 スタグライドオウル
種名:スタグライドオウル
発見場所:ロステル村・針葉樹林地帯(本来の生息域はさらに北方)
観察日:コド暦23年・枯花月 中旬
1. 外見的特徴
全長:約2.4〜2.8メートル(翼開長:約4.5メートル)
羽毛は濃灰色〜黒色に近く、夜間には周囲と同化して視認困難。
頭部は大型の複眼と前方を向いた双眼を持ち、視力は極めて高い。
鹿角状の角を備え、魔力を媒介する器官として機能する。
羽ばたき音を抑制し、無音飛行を可能とする。
2. 繁殖行動(資料による)
繁殖期は初夏と推定される。
高木樹冠部や断崖の岩棚を営巣地とするが、詳細は未調査。
一度に二卵を産むとの報告があるが、雛の成長過程は不明。
性差は乏しいが、角の大きさや枝分かれの数に微細な違いがある可能性。
3. 食性と行動(資料による)
夜行性。中型哺乳類、大型昆虫、猛禽類などを捕食。
鹿角から風属性の魔力を集束させ、急降下時に「圧縮突風」を叩きつけ獲物を仕留める。
通常は高高度から無音滑空で接近し、奇襲を行う。
群れは形成せず、単独行動が基本。
4. 生態的特記事項
「本来の狩場を追われた」個体と推測される。
本種は通常、北方の亜寒帯林を主な生息域とするが、今回はそれより南の高原地帯で確認された。
生息域から外れた理由は不明だが、環境変化や強力な捕食者の出現などにより、棲家を失った可能性が高い。
5. 補足
本来であれば人里に近づくことはほとんどなく、今回の発見は稀有な例である。
危険度は低かったが、本来の個体は高い索敵能力と急襲性を備え、家畜などを狙う場合がある。
棲家を追われた個体の移動は、周辺生態系に新たな不均衡をもたらす可能性がある。
よって、今回の記録は「北方魔物の分布変動」を示す重要資料として保存する。
竜研究家 ライナ