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将来の超絶最強軍師である俺が勇者を堕として最強の料理人を飼い犬にしてとにかく最強  作者: Os


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再来




「ここで、一つ頼みがあるんだがよ」



ボス部屋の奥。

リーダーがぽつりと声を上げる。


「この部屋にも、それなりに高そうな素材は転がってるけど……その先の扉、魔法陣の謎かけがあってな。どうにも解けないことで有名なんだよ」


……ほう。

見ると、扉には古代魔語がびっしり刻まれている。強めの封印もある。


俺は肩をすくめて、小さな箱を一つ拾い上げた。

そいつをひょいとリーダーに手渡しながら、指をくいっと動かす。


「ん? なんだ?」


対価、って意味だよ。タダ働きはしねぇ。


「ああ? 分かった分かった! これくらいくれてやるから、さっさと開けてくれよな、面倒くせぇ!」


よし、言質は取った。

箱は俺の懐にしまって……魔法陣はサクッと解析。封印も無効化してやった。


「おおっしゃあ!!やったじゃねぇか!!」


跳ねて喜ぶリーダー。

──んで?これで財宝も山分けしてハッピーエンド?

ありがとう!!




そうだったら良かったんだけどな。




「よしロイス。そいつ、魔力奪って縛っとけ」

「いいんですか?」

「見ろよこの財宝……一つ一つが超レア品だぞ? こんなん分けてやったら大損だっつーの! さっきの箱で十分だろ、報酬はよ!」


……はい、天才軍師裏切られました!!


最奥の部屋には、煌びやかな魔道具やら素材やらが山積みだ。

【魔道具鑑定】を使えば、

【魔導学者の法典】【聖者の印】【死霊術師の宝珠】なんて名前がずらり。


封印された箱もいくつかある。外見だけでも、ただモノじゃないオーラ出てる。

独り占めしたくなる気持ちは分かる。

だけどな。

裏切っていい理由には、ならねぇだろ!!


「じゃあ……悪いな」


ロイスの糸スキルで、俺はあっという間にがんじがらめ。

さらに魔力を吸い取る魔道具でぶん殴られ、魔力切れと衝撃でクラクラする。


容赦ねぇなおい!?

俺の活躍を見てもなおそういうことすんの!?


お前ら、やっぱり悪党じゃん!!!



「まあ有能だったし、このまま連れてくか? 売っぱらうか?」

「でも牙向かれたらヤバくね? 対処できっかな……」



戦利品を次々と空間袋に詰め込んでいく一行。


……宝の総取りはまあ、千歩譲って良いとして。

俺を奴隷扱いすんのは話が違ぇだろ!?

リーダーは陣紙渡した時、「分前は増やす」とか言ってただろが!?

仲間扱いしてたんだろ!?


でけぇ翼でも背負って頭の中も飛んでんのか!?



──暫くして、再びリーダー達の会話が耳に入った。


「……あ、これ、大量に同じポーションが入ってるけど何に使うんだ?」

「ぱっと見分からないし……あいつで実験してみるか?」


いや待て、それ俺のことだよな!?!?


背中に冷たい汗が伝う。なんか、やべぇ雰囲気出てない!?

こっそり後ずさろうとした──


が、遅い!!


「っとらぁ!!」


思いきりポーションの瓶を頭にぶつけられた!!!


鈍い音と共に血が滲み出る。ちくしょう、普通に痛ぇぞ!?


「うわ、なんか……ドロドロしてるけど……なんだ?」


知らねぇよ!!てめぇが投げたんだろ!!

……とか叫びたかったが、声にならねぇ。

でも脳裏では、こう思っていた。


(変なもんぶつけて傷口に異変が起きたらどうすんだよ!?)


──が。


次の瞬間、粘っこい液体が傷口に触れると、

ぴたりと血が止まり、皮膚がスーッと再生していく……。


「……あー、そういえば持続回復のポーションは粘性が高いって話を聞いたことがありますね」

「そうなのか? まあ即死する薬とかじゃなくて良かったな!!」


「「あっははは!!」」


ケラケラ笑い合うリーダー達。


……


おい白蛇!もう良いからこいつらのことボコボコのズタズタにしてくれ!!

おい……って……


「キュ……」


……寝てる!!!!


ここで天才軍師からの豆知識。

白蛇は使役者のライアスが眠ると同時に眠っちゃうぞ。

みんな元気でな!!


……じゃねえよ、まずい!!

白蛇とライアスはある程度感覚を共有してるらしいから、

滅茶苦茶虐めれば起きるかもしれないけど、

そんなことしたらボコボコのズタズタにされるのは俺。


くそ、やべえ!!

ライアスめ、俺の心配をするでもなく早寝早起きしやがって!!


このっ……この……良い子め!!



俺がじたばたしつつ盛大に逆恨みをしている間に、帰還用の魔法陣が起動され──


気がつけば、そこは森の中だった。

見覚えのあるダンジョン入口前。

もう夜も遅く、残っている人もまばらだ。


「さて、まずはリクスのとこ行って、鑑定と値付けしてもらうか。それと……こいつに首輪も買っとけよ」

「定期的に魔力、抜いておきますね」


──マジで奴隷コース!?

リクスって誰!? お前らの裏商人仲間かよ!?


「そういや、もう対等な仲間面する必要もねぇよな。この機会に仮面の下でも拝んどくか!」

「いいね、いいね〜。ここまで引っ張ったんだから、見せてもらわんとな!」

「悪くないと思います」


は!?

さっきまで仮面触ろうとしたリーダーにドン引きしてたよなお前ら!?

軽すぎんだろ!?


仮面外すのは別に構わねぇけど、

ニヤニヤしながら近づいてくるな! なんかイヤだわ!!



ていうか、将来の最強軍師に、気安く触ろうとするんじゃねぇよ!!



「それじゃあ、失礼して──」


「【黒棘】」


──バゴォッ!!


地面から、漆黒の棘が突き上がった。


「な、なんだ!? こいつの仕業か!?」

「違う、リーダー!! あれは……!!」


森の奥。

ざわめく木々の隙間から、現れた影。


赤く煌めく瞳。

顔の半分を蠢く闇に覆わせた──あの中級悪魔が、そこに立っていた。


「見つけたぞ……」

その声は、凍てつくような殺気を帯びていた。


「ここで──お前を……殺す!!」





「ふっ…………ふははっ……馬鹿め!!」


まっ先に大口を叩いたのはミングだった。鼻で笑いながら前へ出る。


「よく分からんが、私たちはたった今──Aランクの中でも上位とされる【セイント・エルダーウィッチ】を撃破してきた強者だぞ!!」


「そうそう! 魔石にされたくなきゃ、さっさと魔界にでも帰るんだな!!」


リーダーまでノリノリでドヤ顔だ。


この空気、さすがに悪魔もちょっと引くんじゃ──


「……Aランク?あっそ。で?」


中級悪魔は、崩れかけた顔の端を吊り上げた。

その瞳には、ゾクッとするような“余裕”が宿っている。


「俺は今──“大悪魔”から力を授かってる最中なんだわ。

つまり現在進行形で進化中。“上級悪魔”へのな?」


「…………な、なにっ!!」


とりあえず叫んでおくミング!!

言うだけ言った感出すな!?


「そこの仮面男を、俺に寄越せ」


悪魔はまっすぐ俺を指差した。


「そしたらまあ……見逃してやってもいい。お前らの腕一本ずつもぎ取る程度でな?」


「えっ!? 仮面の人、渡すだけじゃ見逃してもらえないんですか!?」


うわ〜ルイス、あからさまに驚いてる……

お前、めちゃくちゃ俺を差し出そうとしてたな?


「……お前が今どの程度の強さかは知らんが、俺たちを害するというなら──容赦はしない!!」


リーダーが叫ぶ。その声にミングたちが呼応する。


「かかれッ!! 【鼓舞】!!」

「【魔滅貫撃】!! ロイス、後ろから援護しろ!!」

「分かりました!!【光芒の矢】!!」


──が、しかし。


「【暗黒結界】」


中級悪魔が指を弾いた瞬間。

ミングの目の前に、漆黒の壁がズドンと出現。


「なっ!!?」


【光芒の矢】も、まるで深海に沈む光のように吸い込まれていく。

止まりきれなかったミングの体は──


「──ぐあっ!!?」


瘴気を纏った触手に貫かれた。

肩と脇腹。ザクッと嫌な音がした。


「ミング!!」

「ミングさんッ!!」


リーダーがすかさず触手を叩き切り、ロイスが糸で引き寄せる。


「チッ……大したことはない」


そう吐き捨てるミング。

だが体からはじわじわと血が滲んでいた。


「大したことなくはないですよ!! さっき拾ったポーションでも使ってください!!」

「悪いな……助かる」


お前らのその絆、俺にも少しくらい分けてくれてもよくない!?


こっちは一緒に冒険した仮面野郎様だぞ!?

……まあ不可抗力もあるし逃亡ついでに乗っかりたいって動機もあったけど。


「……よくもミングを!!」


怒りをあらわにするリーダー。

仲間への情熱は本物らしい。


──でもな!


「愚かな奴ら」


悪魔が片手をゆるりと上げる。


「生かしてやるって言ってるのに……【黒星雨】」


その瞬間。

悪魔の周囲に、無数の黒い棘が浮かび上がった。


「なっ……!!ゴ、ゴーテ!!」


「こっちに来い! 【不壊障壁】!!」


「ひいぃ!!」


リーダーの指示でゴーテが盾を構える。

リーダーたちは情けない声を上げながらその影に逃げ込んだ。


流星のように振りそそぐ黒の棘群。

ゴーテの大盾に、ガンッ!と鋭い衝撃が走る。


「くっ……!!」


──あー……俺も一緒に守られてて良かった!!

ゴーテに運ばれてたからから偶然守る位置になったのかもしれないけど!!


「おい仮面!! あいつ、お前を狙ってるっぽいんだけど!? 何したんだよ一体!!」


「リーダー! この人、話せません!!」


「こうなったら相手が変なことをする前に切り札切るぞ!!ロイスは適当に戦利品と持ち物から使えそうな道具でも探しとけ!!ゴーテはその護衛と機を見計らって支援!ミング、俺が自分に強化積む時間を作れ!」


リーダーは手早く指示を出し、


「わ、わかりました!!……ちょっと、死にたくなかったらあなたも手伝ってください!!よく知りませんけど好きなんじゃないですか、魔道具!!」


ロイスに手の拘束だけを外されてひっくり返した空間収納袋の中身を見せられる。

俺はすぐさま一冊の本を手に取った。


「あっ!それが使えそうなんですか!?」


いやこれは俺が欲しいだけ。

そう思いながら本を自分の袋の中にしまい込むとロイスは真顔になる。


「本当に死にたいんですか?」


その言葉には様々な感情が込められていそうだが、俺も不真面目というわけではなく【魔道具鑑定】で片っ端からその詳細を確認している。

例えばこれなんかどうだ?一見地味な小物だけど。


【波動共鳴器】

効果を付与した対象の攻撃に、使用者の気力値に比例する波動攻撃を付与する。


「それもまた懐に入れるんですか?」


お前も実は真面目じゃねえな!?

一先ずミングとリーダーに向けて効果を付与していくぞ。

リーダーが棍を振るうと、そこから赤色の気力の波動が放出される。


「あ?なんだこれ!!」


その威力は想像以上にに凄まじく、悪魔は一瞬目を見開くと同時に地面へ叩きつけられる。

彼が次の攻撃の為に控えていた暗黒の棘は、生成が止まり、宙を漂うままになっている。


「……ぐっ、子供騙しが効くかよ!」


「リーダーの計算のうちにお前が嵌っただけだろう!!リーダーを舐めるな!!」


「ふっ……そ、そうだな」


リーダーも困惑してたくせに流されてんじゃねえよ。


あれだけじゃ当然、効果は薄い。

波動系の攻撃は、主に精神体への有効打。

悪魔みたいに現世に定着してる存在には通りが悪い。


だから……これだ!!


【死霊術師の宝珠】

使用すると複数体の霊体を召喚し、対象に纏いつかせる。

体力が無くなると周囲へ精神攻撃を行って消滅する。


死に際に攻撃をまき散らすという性格の悪さ!!

ってわけで──召喚、いってらっしゃ〜い!!


シュゥゥン……と現れる、ぼんやり白く光る霊体たち。

何体も何体も、ふわふわ浮かびながら悪魔の周囲へ向かっていく!


「なっ……!」


自分の脇を通る霊魂にリーダーは思わず身を引くが──

そのとき、彼の武器から溢れ出る赤い波動が霊体にヒット!!


──ズドンッ!!


「はあぁ!?ちょ、あれ良いんですか!?無慈悲すぎません!?」


お前が言うな!!


霊体は即・爆・散!!

2度目の死を迎えた霊体たちは、

死に際に全方位へ精神攻撃を放出!!


バリバリバリィッッ!!!


リーダーもミングも、軽く巻き添えを食ってぐらつくが──

悪魔の動きが止まった。

表情が歪む。肩がピクリと跳ねる。


(効いてる……!!)


悪魔のような存在は、感情や精神に干渉されると途端にパフォーマンスが落ちる。

人の感情を見て派手に一喜一憂する種族らしいからな。

──これで隙を作った!!


「……なるほど。ここが俺の見せ場ってことか!!」


リーダーが棍を握り直し、ずし、と一歩踏み出す。


「いくぞ──!」


「【赤龍穿震撃】!!」


紅蓮の気力が、棍から竜のように噴き出した。

その棍はまっすぐ悪魔へ向かい、熱気とも見紛う揺らぎが大地を震わせる!!


──そして。


「死ね!!悪魔!!」


リーダーが棍を振りかざすのとほぼ同時に、

悪魔の顔半分を覆っていた暗黒が──

ズズズ……と全身に広がる。


「【連鎖崩壊】」


悪魔の黒い体を破壊した瞬間、

凄まじい勢いの闇が爆発!!

悪魔とリーダーごと吹き飛ばす!!


「リーダー!!」


闇の残骸が宙を漂う中──

半身が崩れた悪魔。

そして全身血まみれで膝をつくリーダーの姿。


「ぐ……はっ……」


「はっ……馬鹿じゃねえの……」


悪魔は顔を俯かせながらも、その目は恒星のようにギラギラと光っている。


「こっちから仕掛けてる時点で準備も何もかも整ってんだよ……【再生成】!!」


悪魔の周囲に漂っていた闇が、

引き寄せられるように集まり──

人の形を再構築していく。

そして今度は……完璧な人の姿を繕った悪魔の姿が現れる。



「ミング!ポーションだ! リーダーを治療しろ!」

「分かりましたけど……!」


ロイスがポーションをリーダーにかけるが、出血と損傷が酷すぎる。

様々なポーションを試しているようだが、持ち物に持続回復のポーション以上に効果の高いポーションは無い。

これではせいぜい時間稼ぎ程度だ。


「ど、どうしよう……! あんた、何か思い浮かばないんですか!?」


いや、回復は門外漢。


つか正直──

もうロイスだけでも逃げた方が良いと思う。


機動力があるから、仲間を見捨てれば逃げ切れるはずだ。


「ぐ……ろ、ロイス……」


ほら、リーダーも逃げろって──


「お前は、俺を見捨てたりしねぇよな……?」


呪 縛 だ っ た 。

一蓮托生を美学とするタイプだった!!


「も、もちろんです!僕はリーダーを見捨てたりなんか──」


「ぐあぁっ!!」


その感動シーンの最中、

ミングが再び悪魔の黒棘にぶっ刺される。


仲間が死闘を演じている合間に……お前ら本当に呑気だな!?

この天才軍師の緊迫した雰囲気を見習えよ!!


「本当呆れるくらいに愚かな連中だな」


悪魔が呟いた瞬間、空気が変わる。


「まあ、実力も分かったし……もう一発で全員ぶっ殺してやるよ」


悪魔の手に、赤と黒の魔力が集まり始める。


「新生悪魔の力の前にひれ伏せ!!【破滅の星斧】!!」


禍々しいオーラに包まれた巨大な斧が構成される。

その重圧感は、まるで絶望そのもの。


「くそっ……守れなくてすまなかった……俺は、リーダー失格だな……」


「リーダー!! 諦めないでください!!」


──駄目だコレ。


ロイスたちの注意が逸れてる隙に、

俺はリーダーにかける予定だったポーションを仮面をずらして飲む。


(……喉の調子は戻ったか? これなら……)


「……」


そして、俺を見下すゴーテの瞳に気づく。

ってそうだ!!今俺ゴーテが支えてる盾の中にいたじゃん!!気まずいな!?

と思いながら仮面を戻すが……


リーダーもその死にかけの顔を更に死にかけみたいな形相にしてこちらに目を向けていた。

ジロジロ見てんじゃねえよこいつ!!見せもんじゃねえよ!!


っと、まずい、相手の大技が来るぞ。


「その目障りな盾もまとめて吹き飛ばしてやろう!!【黒星天隕】!!」


悪魔の斧が天へと持ち上がり、

凶兆の魔力が空間を揺らす。


「っ!! 俺のことはいい!! お前ら、逃げろ!!」


リーダー、今さら正義感の発動!?

さっきまで道連れにしようとしてたのに!?


「展開」


俺は静かに【風霊のマフラー】の翼を展開。


「な、何ですかその翼……!?」


ロイスが声を上げるが、今は無視だ。


展開したは良いが、精霊達の好感度を上げていないせいでまだ色は燻んでいる。

このままの性能じゃ逃げ切れねぇ。


そこで俺は──

飲みかけのポーションをリーダーにぶっかけ、その手を握る。


「今さら世話になったあなた達を見捨てて逃げられるわけがないじゃないですか」


「俺たちは──同じダンジョンで戦った“仲間”ですよね?」


「仮にこのまま共に朽ち果てるとしても、俺は悔いることはありません。ですが──生きましょう」


「……あんた……!声……」


ロイスが目を見開き、リーダーが涙を滲ませる。

完全に喉のダメージが回復したわけではないので多少声が掠れかけたが、なかなか上手かったと思う。


──そして。演技は精霊の琴線に触れた!!


魔力の翼が燦然と、薄緑色の光を纏い輝き出す!!


よし!!これで逃げられる!!!

そうして飛翔しようとした瞬間──


「…………ぐふっ!!?」


首が締まった。


マフラーが引っ張られてる!?!?


「て……天使だ!!」


──リーダーが涙を流しながら俺のマフラーを掴んでいた。

死に際だってのに握力が強すぎる。いくら引いても離れない。

道連れにされる。


悪い……あんただけは絶対に死んでくれ!!


そのときだった。


「死ねぇぇッ!!」


悪魔の斧が振り下ろされる!!!


万事休す──!


その瞬間。


「【均衡の盾】!!」


ゴーテが一歩踏み出し、スキルを発動。


眩い光が、漆黒のエネルギーをかき消す──!!


「っ……!?」


その場の音もかき消すような光。

悪魔の絶叫すら消し飛ぶ、対消滅の閃光。

暫く誰もが呆気に取られていたように思う。

その暫くの静粛を、ロイスが破る。


「今のうちに逃げましょう!! ミングさん、立てますか!?」

「姿を変えれば暫くは持つ!!お前ら、私が先導するから付いてこい!! 【獣気解放】!!」


ミングが蒼き狼の姿となり、森を疾走する。

ゴーテも虎の姿でリーダーを背負い、その後を追う。


「分かりましたけど! そ、それで仮面の人は……あれ?」


──俺は、とっくに離脱済みだ。


今の衝撃でリーダーの手が離れたからな。

風精霊の力で上空へ飛翔し、背後を確認。


(……まだ生きてるな)


「く……くそっ……あり得ない……人間ごときに……ッ!」


悪魔は満身創痍ながらも立っていた。


その近く──

茂みの中に、何かが蠢いている。


……イルミとか言ったか。あの悪魔の仲間の人間。


ここで変に手を出す意味もない。

……本当、目まぐるしい一日だった。


「帰るか」


俺は仮面を外し、そう呟いた──。

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