とある田舎の家族
注意※分かりにくい表現、誤字脱字があるかもしれません。「そんな駄作見たくねぇよケッ!」と言う人は見ないでください。
ご了承下さい。
「……はじめまして」
とある少女は、木陰で蹲る女性に話し掛けた。
その女性は蹲っているだけで、立てば2mを大きく超える巨躯を持っている。一体何処で買ったのかも分からないその巨躯にぴったりの白いワンピースと、麦藁帽子を被っていた。
少女は目をまん丸にさせながら、その女性の顔を覗こうとしていた。
その少女はまだ幼く、言語能力もまだ未熟。しかし拙くも、彼女は女性に話し掛けた。
「どうしたの?」
女性は顔をその大きな手で隠しており、啜り泣いていた。
「うーん……うーん……。……えーと、なまえは?」
少女はにこりと笑いながら、もう一度話し掛けた。
しかし女性は答えない。涙を流しながら、ひたすらに木陰で蹲る。
少女の外見は実に可愛らしい。丸い目に、丸い顔、当たり前だが幼さが目立つ。愛情深く育てられたであろう少女は、女性と共に木陰に座り込んだ。
「どこのひとー? それともとかいのひとー?」
女性は初めて少女を見た。
その視界に入る少女の姿は、女性にとってあまりにも眩しい物だった。陽の光を跳ね返す海の様に、眩しかった。
もう、女性は少女を見ないと誓った。
「ねーえー。どーこーのーひーとー?」
女性はずっと泣いていた。こんなに晴れた夏の日だと言うのに、こんなに暑い夏の日だと言うのに、こんなに五月蝿い夏の日だと言うのに。
ここは五月蝿い山の中。ここは暑い山の中。
ただ、少女は何も言わずにずっと女性の傍にいた。
すると、ようやく女性は口を開いた。
「……誰かになりたい。……誰かに抱き締めて貰える誰かに、なりたい。もうそれ以上は望まない。誰かじゃ無くても、何かになりたい。……ずっと、こんなのは嫌だ」
悲痛な叫びだった。その一言一句の全てが、女性にとっては喉が裂けそうな程に苦しい物でありながら、こんなことが出来る自分に驚いた。
女性は、もう一度少女を見た。少女はくしゃりと笑っていた。
「じゃあやまのうえにいって。あそこのかみさまは、いいひとだから。きっとにんげんじゃなくても、いきられるようになるとおもうからね」
「……本当?」
「うん! やさしいの! まえにいったときはいっしょにくだものをたべたの! りんごと、ばななと、ももにめろんにぶどうに、いちじく! あ、でもいちじくはぼくはたべてなかったや。『まだ早い』っていわれちゃった」
少女の体は落ち着きが無く、ゆらゆらと揺れていた。
「……ぽぽ」
「うん、だいじょうぶ。きっとあんないしてくれるよ」
「……ぽーぽぽ」
すると、何処か遠くから少女を呼ぶ声が聞こえた。
「あ、おとおさんのこえだ。それじゃあね、おばけさん」
少女を呼ぶ声は、小柄で幼さを残す女性だった。身長も150cmも無く、その長髪は地面にまで届いていた。
「いた。また山の中に入って。ほら、また海に行くんでしょ?」
「あ、そうだったや」
「……誰と話してたの?」
「おばけじゃないおばけさん」
「じゃあお母さんなら見えるかも」
すると、その小柄な女性の隣に、先程まで影も姿も無かった長身の女性が現れた。細身、長身、冷たい目。その女性は少女の母親と言えば、確かに納得出来る美しさであった。
「あ、こんな所にいた。親子揃って山の中に入るんだから」
「「……ごめん」」
「……やっぱり親子ねぇ」
長身の女性は、少女を片手で抱え、小柄な女性と手を繋ぎ、とても楽しそうに、とても幸せそうに歩いた。
その微笑ましい様子を、巨躯の女性は何とも信じられない目で見ていた。
あれは、今あの少女は、笑っている。しかしあの父親は、何か恐ろしい物を秘めている。
あの父親を見るだけで、この体が震え上がる。まるで獅子に睨まれる兎の様に、体が震える。勘違いだ、気の所為だと唱えても、黒く湧き上がるその穢れと呪いを、彼女は何よりも恐ろしく感じた。
だからこそ、だからこそだ。彼女は勇気を振り絞った。あの少女は、今も尚、楽しそうに笑っている。
助けなくては。あの父親は、その呪いは、やがてあの少女に牙を向く。自分の夢を叶えようと一声掛けてくれた少女が、その毒牙に蝕まれてしまう。
巨躯の女性が立ち上がったその直後、小柄な女性は見えないはずなのに、その方向を見た。
そう、見えないはずなのだ。しかし小柄な女性はこちらを見ている。
「僕の息子だ」
「……何当たり前のこと言ってるのよ」
「ああ、いや、何でも無い。可愛い子だし」
巨躯の女性は、全身から汗が吹き出した感覚を覚えた。
人生で、こんなに震えたのは初めてだ。人生で、あんな無関心な瞳は初めてだ。
何も感じない。恐怖も、何もかも。むしろ安らぎすらも感じてしまう。甘い匂いが鼻腔に入り、頭がくらくらと揺れる。何故か心地が良い。それが本当に恐ろしい。
巨躯の女性は、そのまままた蹲った。もう、それ以上何も出来なかった。
だから、もう、彼女は何もしようとはしなかった。何も、何も出来なかった。
動けなかった。そんな自分が情けなかった。
だからこそ、もう何もしなかった。
そんな彼女の前に、誰かが現れた。その誰かは、ひたすらに白かった。
『……貴方、助けたいの?』
「……ぽ」
『……お願い。……彼は……。……ううん、何でも無い。山の上に行けば良い。きっと彼女なら、救ってくれるから』
最後まで読んで頂き、有り難う御座います。
ここからは個人的な話になるので、「こんな駄作を書く奴の話なんて聞きたくねぇよケッ!」と言う人は無視して下さい。
微笑ましい家族ですね。けどほとんど女の子っぽいので誰が誰かは分かりませんね。背が高い女性は母親で、小さな女性は父親です。何なら少女の方は息子です。私の趣味です。
何時も通りのヒント。「ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ」
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