082話 管理された番号
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「ミラ、悪いけど。みんなの所へ行ってあげてくれ。俺達への報復として、みんなに手を出さないとも限らない」
「そうねー、バラバラにいるよりはなるべく固まって動いた方が安全かな。全員の安否が確認出来たら宿に戻るわ。シローも調べ物が終わったらすぐに戻るのよ?また捕まった洒落にならないって」
「ご心配どうもありがと」
「心配なんかしてないわ。だって、貴方は強いもの。超羨ましいくらいにね」
ミラからそんな言葉が聞ける日が来るとは。
俺はまだまだ弱いけど、彼女の言葉で不思議と自信が生まれる。
ミラが出たの見送った後で研究室を探索することにした。
奴の計画は分かったが、もう少し情報が欲しい。
こんな所に大きな手掛かりがあるとは思えないが、それでも探さないと見つかる物も見つからないだろう。
整理整頓された医療器具やテーブルに置かれた資料、他にはソファーや食料の入った冷蔵庫まであった。
どうやらここに数日間籠もっていたとしても問題がないようになっているらしい。
そうなるとあの男が被験体と呼んでいた者は数日に渡って、苦痛と呼ぶには余りにも過酷な実験を受けていたことになる。
更には、人格形成における重要な時期である幼少期に感情を制限する為の調教を行うだと?
ふざけているにも程がある。
ここで止めないといけない。
例え、これがお節介であっても、またセレントロンの街の様になったとしてもだ。
必ずそれで救われる者がいると信じたい。
「これが今までの被害者のリストか。文庫本くらいの厚さのリストが4冊ってことは概算1000ページぐらいか。どれどれ、1ぺージ辺りに書かれている人数は、30人。・・・つまりは、3万人も既に被害が」
最初の実験が行われた日付が今から20年前。
その期間でこれ程の数を。
「成功者にはナンバーが割り振られているな。これが半人半魔の識別番号になっている訳か」
順番通りに番号の割り振られて者を追っていくと、キリの良い100人目の人物だけ番号ではなくαと記載されていた。
何か深い意味があるのか?
被験体の名前は、ランバリー・カルーノ。
交配した魔物の欄は黒く塗り潰して合って分からない。
気にはなるが今は他の情報も必要だ。
頭の片隅に留めておくことにした。
「残すはこれだけか・・・」
一通り調べ尽くして、残されたのは鍵の掛かった金庫だけ。
頑丈に閉ざされた金庫に手を掛けてみるが、やはり開く気配はない。
だからと言って、鍵穴がある訳でもないし、パスワードが打ち込める仕組みがある訳でもない。
ただノブが付けられているだけだ。
「この中に重要書類が隠されているのは確かだと思うんだけどな。仕方ない、多少強引にでもこじ開けるか?」
開け方に工夫が必要なのは見て分かるが、考えて方法が分かる訳でもない。
ならば、力尽くで開ける以外の選択肢はないだろう。
軽く体を動かす素振りをして、光闇龍刀を構える。
どれだけこの金庫が硬くても今の俺なら斬れるはずだ。
何度か金庫に刃を当てて狙いを外さない様に調整。
これで準備は完璧だ。
「ハアァァァッ!ハァッ!!!」
決して斬り裂いた時には鳴らない鈍い音が鳴った。
痺れる手が思わず刀を放す。
「いてぇー、なんだこれ。どんな素材で作ればこんなに硬くなるんだよ。少なくとも俺の知ってる鉱石じゃねーな」
切断には失敗。
中に入っている重要であろう情報は何も抜き出せ無かった。
金庫も開けられないとなるとそろそろ調べられる物も無い。
ひとまず部屋を出て、みんなと合流する事を優先するか。
部屋を出るとそこには少しの短い通路と奥には階段が見える。
いくつもの扉があったら迷子にでもなっていただろうけど、真っ直ぐに進み階段を登るだけで脱出出来そうで助かった。
立って始めて分かる勾配の急さと、先の見えない階段の長さ。
所々に設置された松明だけが足下を照らしていた。
これを上らないといけないのかと思うと溜め息が出そうだけど、仕方ない。
上がらないことには脱出も出来ないのだから。
昔の俺なら絶対に息が上がっていたであろうこの階段も今では普通に上り切れた。
基礎的な体力も付いてきたという事なのだろうと成長を実感する。
階段の先にはただの壁があった。
扉らしき物がない事に焦りを覚えたが、ここまで一本道を来た事を考えると恐らくただの壁に見えるこれが出口なのだろう。
試しに近付いてみて軽く触ってみると、ゴゴゴッという壮大な音を鳴らしながら壁が動いた。
外に敵がいるとも限らないので少し身構えるがその心配は要らなかった様だ。
リキテッドの会話を盗み聞したあの部屋に繋がっていた。
これなら、部屋を出れば後は迷う事もない。
「さっさと合流しないとな」
みんなの安否が心配で急いで外へと出る。
ある程度の情報を集めた今はみんなとの合流が最優先だ。
「おい、そこは関係者以外立ち入り禁止だぞ」
立ち入り禁止の場所から出て移動しようとした途端、背後から声を掛けられた。
ここから出て来るのは目撃されたのは面倒だ。
だけど、遅かれ早かれ闘技場の職員はリキテッドの命により、俺達のことを敵と見做す。
だったら言い訳をするよりも先に逃げ出す方が得策か。
「なんか言ったらどうだ?シロー」
この声、よくよく聞けば聞き覚えがある。
振り返って顔を確認するとレインズだった。
ある意味では闘技場職員より厄介。
リキテッドの裏の顔を知ってしまった今、どんな顔で会えば良いのか。
本当の事を伝えるべきか否かも迷うところだ。
世の中には知らない方が幸せなこともある。
ましてや救いの手を差し伸べた人間が、ただ自分を利用していただけだと知った時、受ける絶望は計り知れない。
「いや、何でもないんだ。気にしないでくれ」
「それより、何故俺に勝っておきながら決勝トーナメントを辞退した。返答次第では殴り飛ばすぞ」
その質問だけはしないで欲しかった。
理由を説明するとなるとあの事を話さないといけない。
それならば、誤魔化す以外の選択肢が思い付かないが、そうなると殴られる未来しか見えない。
ここでレインズと引き合わせる悪戯な運命を憎むばかりだった。
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