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クラスで異世界転移したけど何故か俺のステータスだけ恋愛ゲームでした〜意外と戦えるみたいなので女子と仲良くなって魔王倒します〜  作者: 風野唄
第三章 力を求める者よ

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079話 悪魔の笑い声

誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。投稿予定時間になるべく投稿できるようにします。

面白いと思っていただけたら評価やコメントお待ちしております!

レインズの話を聞き終えた俺は治療室から出て、観戦場へと向かう。

B、C、Dブロックが終われば、次は総合決勝トーナメント。

そこで真の最強を決めることになる。


相当な想いを背負っていたレインズに勝ったのだから、最後まで勝ち切ってやろう。

それが彼の為になる訳でもないが、勝ちにこだわる理由を聞いた後に、はい、負けましたでは話にならない。


各ブロックから勝ち上がってくるのは誰だろうか。

俺の仲間はみんな強いから、もしかすると身内だけの決勝戦になる可能性も十分あり得るな。

手の内を知っている者同士でやるのは少し勿体無い気もするが、それはそれで良い戦いになりそうだし悪くないか。


そろそろ試合が始まる時間だ、観客席に移動しないと。


「カッカッカッ!師弟揃ってバカな奴らだよ!」


関係者以外立ち入り禁止と書かれた先にある部屋から声が漏れ出た。

どうやら扉が少し開いていたみたいだ。

この聞き覚えのある声は、リキテッドの声だ。


「ワーブル様、少々声が大きいかと。誰かに聞かれでもしたら大変な事に」

「いちいちそんな事を心配するな!今頃、試合が始まっている。こんな所をわざわざ出歩いている奴なんておらんわ。それよりも見たか?アイツの泣き顔!ガハハッ!傑作だったなー!」

「私は実際にはお目にかかれませんでしたが、想像しただけで笑ってしまいそうですね」

「そうだろそうだろ!アイツ自身も気付いてはいないようだったな!まさか自分がじん・・・」


ガチャッ


話しの内容が気になり過ぎる余り、聞き耳を立てるため扉に寄りかかり過ぎてしまう。

少し開いていた扉が完全閉まり、音が鳴ってしまった。

痛恨のミスを嘆いている暇はない。

話を中断した2人が扉に近付いて来ている。


一刻の猶予も残されていない俺は脱兎の如くその場を去った。


「リキテッドの変貌。あれが本来の顔だったって訳か。それにじん・・・、その続きはなんだ」


最後まで聞けなかった言葉の続きを考える。

隠された神器とか、レインズの人体実験。人身売買って可能性も。

どちらにせよ、良い事でないのはあの悪そうな笑顔を見ていれば分かる。


クソ、いつもの嫌な予感が来た。

温かい体温に包まれた全身を冷やす、この感覚が。

この予感が来た時には碌なことが起こらない。

それにその予想が外れないっていうのも皮肉なモノだ。


試合が始まっていて盛り上がりを見せる大勢の観客に紛れながら、1人静かに考える。


レインズがこれ以上利用されない為にも唯一リキテッドの企みを知ったこの俺が止めければ。

でも、何やっているのか分からなければ、証拠だってない。

こうなれば、リキテッドの近辺を徹底的に調べる所から始めるしか。


「シロー君じゃないか!試合の方は楽しんでいただけているかな?」


リキテッド!?

聞き耳を立てた犯人を探してここまでやって来たのか?

そうだとすると俺の事を怪しんで声をかけた可能性がある。

だけど、相手はまだ誰が聞いていたかなんて分かっていないはずだから、直接的に聞いてくる可能性もないだろう。

ならば、毅然とした態度でいれば問題はない。


「楽しむ余裕もないくらい疲れましたよ。あのレインズに勝つ為に全力を尽くしましたから」


試合など一切観ていなかったので、疲れを言い訳にして嘘をつく。


「カッカッカッ!それも仕方ない!あれだけ素晴らしい戦いをやってのけのだからな!お陰様で観客席も大盛り上がりだった」

「闘技場の盛り上げに貢献出来たなら光栄ですね。この場所は戦いを求める人には必要でしょうから」

「嬉しい事言ってくれるなー」


ここまでのリキテッドの様子でおかしな点はない。

最初に会った時と同じく気の良いおっさんって感じだ。

だから、余計に怖い。

あの時に見たリキテッドの豹変を知っているから。


「あー、それとシロー君にもう1つ聞いておきたい事があったんだ」


去り際に質問を投げ掛けようとして来た。

やはり、仕掛けて来たか。

盗み聞きしていたのここでバレる訳にはいかない。

ボロを出さない様に分からない程度に身構える。


「人の話を勝手に盗み聞きするのは良くないと思うかな?」


これは鎌を掛けているのか?

そうなのだとしたらストレートな質問過ぎる。

こんな物で動揺を誘えるのだと思われたのなら、甘く見られたものだ。


「良くないですねー、盗み聞きは」

「そうか、そうか。それなら君にはそれ相応の罰を受けて貰おう」

「はぁー?何ですか?いきなり」

「カッカッカッ!ここまで来てもそのポーカーフェイス!面白い男だ!・・・でも、気付かなかったみたいだな。関係者以外立ち入り禁止の通路に何も置いていない訳がないだろ。あるんだよ、映像を記録する魔導具がな」


どうやら俺の演技も意味を成さなかったらしい。

最初から誰が犯人か知った上で近付いて来たようだ。

それならそうと言ってくれたら良かったのに。


リキテッドと俺の距離は離れている。

疲労はまだ残っているが、全力を出せば捕まらずに逃げる事が出来るだろう。


「おっと、逃げようとなんて考えない方が良いぞ?」

「逃げないとどうなるか分からないだろ」

「仲間がどこにいるか考えて発言するんだな。全員捕まえるのは無理でも、1人くらいは捕まえて人質にするのは可能だろう」


仲間を人質にされるよりは俺が大人しく捕まる方が良い。

だけど、黙って捕まるのはみんなに迷惑が掛かる。

どうにかしてこの状況を伝える方法があれば。


「さぁ、大人しく付いてきて貰おうか」

「・・・バーカ、大人しくなんてのは性分じゃなくてね」


ホルダーから銃を取り出す。


「抵抗するつもりか?」

「あぁ、せめてものな」


引き金を引く。

鳴り響く銃声と激しい衝撃。

滴り落ちる血。

その光景に観客達が騒ぎ出す。


「カッカッカッ!!!普通の冒険者だと思ったが、随分とイカレた奴だな!」


撃ったのはリキテッドにではなく、自身の腕に。

この騒ぎと観客席に落ちた血で気付くかも知れない可能性に賭ける。


後は仲間も信じて無抵抗のまま囚われた。

ご覧いただきありがとうございました。

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