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クラスで異世界転移したけど何故か俺のステータスだけ恋愛ゲームでした〜意外と戦えるみたいなので女子と仲良くなって魔王倒します〜  作者: 風野唄
第三章 力を求める者よ

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078話 それでも立っていた

誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。投稿予定時間になるべく投稿できるようにします。

面白いと思っていただけたら評価やコメントお待ちしております!

魔力を一気に放出すると言う事はここで勝負を決めに来たと言う事だ。

魔力だって有限だから、常にあの量の魔力を放出していれば、いずれ魔力切れを起こす。

数分間逃げに徹しているだけで、相手は勝手に自滅。

それで俺の勝ちは決まったも同然だ。


本当にそれで良いのか。

俺の望む勝利はそんなものなのか。

いや、違う。

レインズの自滅を狙うより、真正面から戦って実力で勝ちを掴み取る。

それ以外に選択肢はないだろ。


そうと決まれば、ここから打てる最大の手はなんだ。

意識の極限化も万能でない事は明らか。

攻撃系のスキルも多い訳ではない。

そうなると出せる物は全部出し切ったのではないだろうか。


ここから新しい一手を生み出す方法はどこにも・・・。

ある、あるじゃねーか、俺には。

俺だけに許されたポイントでスキル習得という裏技が。


でも、俺もレインズも時間がない。

悠長にステータス画面と睨めっこしてたら、命がいくつあっても足りない。

5秒で良い。

ステータス画面を操作してスキルを習得するまでの時間を稼げれば、新たな攻撃の手を増やせる。


「考え事なんてしてんじゃねーよッ!」

「誰のせいだと思ってんだよ!」


傘を使ったシンプルな殴打。

今までに喰らったどの攻撃よりも重い。

衝撃を受け流せず、踏ん張りこそしたそのまま後退。

地面に付いた跡が、今のレインズの力を表していた。


身体強化とは違った身体能力を向上させるスキル。

魔力を全身に流し込んで擬似的に血の流れを再現することで、血流促進時に得られる効果を増幅させるのが身体強化だ。

刹那というスキルは真逆だ。

全身から魔力を放出することで身体能力が爆発的に向上している。

そのメカニズムが分かれば、勝ちに繋がるはずだ。


「しつこいんだよッ!大人しく吠え面かいて負けやがれ!」

「最初の方の余裕は完全に無くなったみたいだな」

「・・・認めるぜ。お前、強いな」


言葉は短くして、戦いの中で語り合うレインズ。

その一挙手一投足に全身全霊の力が込められているのを感じる。


「見えたぜ、これが俺の方程式だ。【闇魔法】”闇煙”」

「無駄だ!そんな煙たった数秒で晴らしてやるよ!」


会場全体に広がる煙。

レインズは宣言通り傘を回して風を巻き起こし、煙を吹き飛ばす。


「その面倒な小細工も俺には通用しねぇーぞ!」

「本当にその通りだよな。だけど、それで良い。十分時間は稼げた」

「強がりもそこまでにしとけッ!」


魔力の出力が更に増えたのを感じる。

ちまちまと攻撃をしている余裕はないレインズはこの一撃に賭けてきたようだ。


どうしてだろうか無性にその攻撃に応えたくなる。

彼は今何を思って、何を感じているのか。

全てはこの一撃に含まれているような気がして。


[白転黒爆が光闇龍刀(こうあんのりゅうとう)に進化しました]


いつもタイミングがバッチリなんだよ。

まるでこの武器に意思でもあるみたいだ。

まぁ、ただの武器にそんなことあるはずないけど。


運はこちらに傾いている。


「【剣術】”天龍舞(てんりゅうまい)”」


先程稼いだ数秒の内にレベルをあげた剣術スキルから放つ進化した一撃。

その剣捌きは荒々しさの中に、天を舞う龍の様な美しさもあった。


2人には声を張り上げる体力も残されていない。

それでも身体に残された僅かなエネルギーをかき集めて、全てをぶつける。


観客の声は聞こえない。

風の音も、雨が降る音も。

耳に残るのは武器同士が奏でる魂の旋律だけ。


もう限界はとっくに超えているのだと悟った。

それでも刀を握る手は緩まない。

今、この瞬間だけは絶対に。


「おっと!この熱い熱い戦いもどうやら決着が付いたようだ!」

「そうみたいですね。まさかこんなに良い試合になるとは」

「それでは勝者の発表です!Aブロック決勝戦の勝者は!シロー!」


地に足を付けていたのは俺の方だった。

勝ったと言ってもボロボロで今にも倒れてしまいそうだったけど、それでも立っている。

目の前に倒れ込んだレインズは死んだのではないかと思うほど全く動かない。

スタッフの手によって運ばれていくレインズをしっかりと見送った。



───



「俺は負けたのか」


レインズはベッドの上で目覚める。

気絶してから起きるまでにそう時間が掛からなかった。

身体も回復魔法によって戦う前と同様の状態に戻っている。

だけど、無敗の記録と自信を失った。

それだけはなく、彼が勝ちにこだわるのには深い事情もある。


「起きたか?」

「なんでテメェーがここにいるんだよ」

「そんな怒った顔で見るなよ。ちょっと気になることがあってな」

「こんなに気分が悪いってのによ、答えると思うのか?」


レインズの言い分は正しかった。

勝った相手がわざわざ負けた相手の所まで来て話し掛けるなど、これ以上の屈辱はないだろう。

でも、聞いて見たかった。

あの勝ちへのこだわりは、強さへの執着以外にも何か別の理由を感じたから。


「どうしてそこまで勝ちたかった?」

「ふっ、部外者にそこまで話すかよ」

「答えてやっても良いんじゃないか?もう契約は破棄になったんだから」

「リキテッド・ワーブル・・・」


現れたのはこの運営のトップであるリキテッド・ワーブルだった。

2人はどうやら顔見知りらしい。

それに契約という言葉も気になる。


「チッ。・・・俺の師匠であるジャルファン・カルーノが謎の病で倒れた。ジジイは身寄りのない俺の育ての親みたいな存在だ。だから、薬を探しては飲ませて治療していた。・・・ただ、普通の薬では全く治らず延命させるだけ。だから、全ての病を治すと言われているある薬が必要だった。契約っていうのは俺が3年間1度も負けることが無ければ、その薬を用意してくれるって話だ」

「非常に心苦しいがその話もここで終わりだ」

「そこをどうにかならないか!とんでもないジジイだったんだけど、アイツには恩があるんだ!俺はまだ・・・まだその恩を返せてねぇ」


あの強気なレインズが弱さを見せた。

ジジイと呼んでいる師匠の話をしている時の表情は自分のことの様に苦しそうに話す。

言葉は荒々しくても尊敬と感謝が伝わる。


「仕方ない。ここからまた3年間、1度も負けなければ契約の内容は守ろう。でも、これが最後のチャンスだぞ。その師匠という方も病に侵されているなら尚更な」

「ありがとうッ・・・ございます・・・」


深々と頭を下げるレインズ。

泣いてこそいなかったが、その感謝の言葉は震えていた。

ご覧いただきありがとうございました。

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